本当の愛を知るまでは
「座ってて。今、コーヒー淹れるから」
オフィスに行くと、光星は花純をソファに促した。
「一緒に淹れていい?」
「え? ああ」
花純は光星の隣に並んで、エスプレッソマシンでコーヒーを淹れる。
時刻はまだ23時で、システムメンテナンスの作業まで余裕があった。
二人でソファに並んで座り、話をする。
「花純に、本物の恋愛を教えるなんて偉そうなことを言った手前、妙に肩に力が入ってた。大人の余裕を見せなきゃと思って、会いたいとかデートしたいとか、言わないようにして……。ほんとバカだな、俺。本物の恋愛どころか、つき合い方も分からない超初心者だ。34にもなって情けない」
花純はコーヒーのカップをテーブルに置いてから口を開いた。
「光星さん、私もずっと受け身であなたからの連絡を待ってばかりいました。でも本当は恋愛って、どちらかに教わるものではなく、二人で一緒に積み重ねていくものじゃないですか?」
「ああ、そうだな。その通りだ。そうやって二人の絆を結んでいきたい」
「はい。だからこれからは私も、光星さんに自分から連絡します。会いたいって」
照れたように笑いかける花純に、光星はふっと笑みを浮かべると、優しく肩を抱き寄せてキスをした。
「本当は毎日こうしたかった。これからはもう気持ちを抑え込まない。いや、もう抑え切れない」
そう言うと、光星は再び花純の唇を奪う。
「花純、好きだ」
耳元でささやいては、またキスを繰り返した。
花純は両腕を光星の背中に回し、ギュッと抱きつく。
「私もです。光星さん」
花純は、やっと光星と心が通じ合うのを感じた。
オフィスに行くと、光星は花純をソファに促した。
「一緒に淹れていい?」
「え? ああ」
花純は光星の隣に並んで、エスプレッソマシンでコーヒーを淹れる。
時刻はまだ23時で、システムメンテナンスの作業まで余裕があった。
二人でソファに並んで座り、話をする。
「花純に、本物の恋愛を教えるなんて偉そうなことを言った手前、妙に肩に力が入ってた。大人の余裕を見せなきゃと思って、会いたいとかデートしたいとか、言わないようにして……。ほんとバカだな、俺。本物の恋愛どころか、つき合い方も分からない超初心者だ。34にもなって情けない」
花純はコーヒーのカップをテーブルに置いてから口を開いた。
「光星さん、私もずっと受け身であなたからの連絡を待ってばかりいました。でも本当は恋愛って、どちらかに教わるものではなく、二人で一緒に積み重ねていくものじゃないですか?」
「ああ、そうだな。その通りだ。そうやって二人の絆を結んでいきたい」
「はい。だからこれからは私も、光星さんに自分から連絡します。会いたいって」
照れたように笑いかける花純に、光星はふっと笑みを浮かべると、優しく肩を抱き寄せてキスをした。
「本当は毎日こうしたかった。これからはもう気持ちを抑え込まない。いや、もう抑え切れない」
そう言うと、光星は再び花純の唇を奪う。
「花純、好きだ」
耳元でささやいては、またキスを繰り返した。
花純は両腕を光星の背中に回し、ギュッと抱きつく。
「私もです。光星さん」
花純は、やっと光星と心が通じ合うのを感じた。