本当の愛を知るまでは
「花純! 上条さんは? 大丈夫なの?」
オフィスに戻ると、定時を過ぎているにもかかわらず、千鶴や原が待っていた。
「うん、大丈夫。検査の結果は異常なくて、傷口も縫合してもらったから。でも3日間は安静にして入院することになったの」
「そう、良かった」
二人はホッとしたように息をつく。
「心配かけてごめんね、二人ともありがとう」
すると原がためらいがちに話し出した。
「花純。上条さんとの関係、千鶴を問いただして聞いたんだ。勝手にごめん」
「ううん、いいよ。私も原くんに話さなきゃと思ってたところだったから」
「そうか。それで花純、こっちの仕事は俺と千鶴で何とかするから、花純は上条さんのそばについてろ」
「えっ、でも……」
花純が戸惑うと、千鶴が身を乗り出してくる。
「花純、有給溜まってるでしょ? こういう時でもなければ使わないんだから、使いな。大丈夫! 3日くらい私と原でちょちょいのちょいよ」
「千鶴ちゃん……。原くんも。お願いしていい?」
「もちろん!」
笑顔で頷く二人に、花純もようやく笑みを浮かべた。
「それと花純、ごめんね。ずっと謝りたかったの、私」
「千鶴ちゃん……、私もなの。光星さんとのこと、黙ってて本当にごめんなさい」
「ううん、花純が悪いんじゃない。ただね、ちょっと寂しかったんだ。花純は何でも私に話してくれると思ってたから。私より、上条さんの方に行っちゃったんだなって、ヤキモチ焼いてたんだろうな。ふふっ。しかもね、それを教えてくれたのが滝沢なんだよ」
ええ!?と花純も原も驚く。
「滝沢くんが?」
「そう。私が失恋したのは上条さんにじゃない、花純にだって。私にとって失ったら困る存在は、上条さんと花純のどっちかって。そんなの花純に決まってる。そしたら、ベタ惚れじゃん、だって」
「滝沢くんが、そんなことを?」
花純は心が痛む。
(自分のことより、私と千鶴ちゃんのことを心配してくれたんだ。ありがとう、滝沢くん)
心の中でお礼を言った。
そのあとは52階に行き、臼井に詳しく様子を報告する。
光星には自分が付き添うと話し、身の回りのものやパソコンを預かってから帰路についた。
オフィスに戻ると、定時を過ぎているにもかかわらず、千鶴や原が待っていた。
「うん、大丈夫。検査の結果は異常なくて、傷口も縫合してもらったから。でも3日間は安静にして入院することになったの」
「そう、良かった」
二人はホッとしたように息をつく。
「心配かけてごめんね、二人ともありがとう」
すると原がためらいがちに話し出した。
「花純。上条さんとの関係、千鶴を問いただして聞いたんだ。勝手にごめん」
「ううん、いいよ。私も原くんに話さなきゃと思ってたところだったから」
「そうか。それで花純、こっちの仕事は俺と千鶴で何とかするから、花純は上条さんのそばについてろ」
「えっ、でも……」
花純が戸惑うと、千鶴が身を乗り出してくる。
「花純、有給溜まってるでしょ? こういう時でもなければ使わないんだから、使いな。大丈夫! 3日くらい私と原でちょちょいのちょいよ」
「千鶴ちゃん……。原くんも。お願いしていい?」
「もちろん!」
笑顔で頷く二人に、花純もようやく笑みを浮かべた。
「それと花純、ごめんね。ずっと謝りたかったの、私」
「千鶴ちゃん……、私もなの。光星さんとのこと、黙ってて本当にごめんなさい」
「ううん、花純が悪いんじゃない。ただね、ちょっと寂しかったんだ。花純は何でも私に話してくれると思ってたから。私より、上条さんの方に行っちゃったんだなって、ヤキモチ焼いてたんだろうな。ふふっ。しかもね、それを教えてくれたのが滝沢なんだよ」
ええ!?と花純も原も驚く。
「滝沢くんが?」
「そう。私が失恋したのは上条さんにじゃない、花純にだって。私にとって失ったら困る存在は、上条さんと花純のどっちかって。そんなの花純に決まってる。そしたら、ベタ惚れじゃん、だって」
「滝沢くんが、そんなことを?」
花純は心が痛む。
(自分のことより、私と千鶴ちゃんのことを心配してくれたんだ。ありがとう、滝沢くん)
心の中でお礼を言った。
そのあとは52階に行き、臼井に詳しく様子を報告する。
光星には自分が付き添うと話し、身の回りのものやパソコンを預かってから帰路についた。