本当の愛を知るまでは
新たな絆
「光星さん、具合はどう?」
翌日。
面会時間になると、花純は光星の病室を訪れる。
「花純! 仕事はどうした?」
「有給使って休みにしてもらったの。光星さんが退院するまで」
「え、いいのか?」
「うん、私がそうしたいから。ひょっとして迷惑だった?」
「そんなわけあるか。嬉しいに決まってる」
「良かった。臼井さんから色々預かってきたの、パソコンも。でも仕事はしばらくダメですよ?」
「うーん、気になるけど、そうだな。今は花純とゆっくり話す時間にしよう」
はい、と花純も微笑む。
ベッドの横の椅子に座り、光星の手を握りながら、千鶴とのことを話し出した。
「そうか、そんなことが……」
「千鶴ちゃんとの仲がこじれて、どうしていいか分からなくて、光星さんにも冷たく当たってしまったの。ごめんなさい。それに、こんなことになるなら恋愛しなければ良かった、なんて酷いことまで考えてしまって……。本当にごめんなさい」
頭を下げる花純に、光星は優しく笑いかける。
「謝ることなんてない。花純、以前言ってただろ? 私の中で恋愛は大して大きな割合を占めていないって。あの言葉の意味がようやく分かった。花純は身近にいる人や友達を大切にする人なんだ。自分の恋愛よりも他人を優先する。それは花純が心優しい証拠だよ。俺はそんな花純が誰よりも好きだ」
「光星さん……」
「杉崎さんとのことだって、たまたまタイミングが悪かっただけじゃないか? 本当は誰も悪くない」
「うん、ちゃんと謝れたからもう大丈夫。それに光星さんが救急車で運ばれる時、私に『しっかりしなさい!』って背中を押してくれたのも千鶴ちゃんなの」
「そうか。良かったな、花純」
うん! と笑顔で頷いてから、花純はしみじみと口を開いた。
「私、ずっと感謝します。千鶴ちゃんと滝沢くんに。そしてこれからは、誰よりも大切な光星さんのそばにいます。千鶴ちゃんも滝沢くんも、それを許してくれると思うから」
「そうだな。俺は必ず花純を幸せにする。二人に恥じないように、胸を張ってそう言うよ」
「私も、光星さんを想い続けます」
確かな絆が生まれるのを感じ、二人で見つめ合って微笑んだ。
翌日。
面会時間になると、花純は光星の病室を訪れる。
「花純! 仕事はどうした?」
「有給使って休みにしてもらったの。光星さんが退院するまで」
「え、いいのか?」
「うん、私がそうしたいから。ひょっとして迷惑だった?」
「そんなわけあるか。嬉しいに決まってる」
「良かった。臼井さんから色々預かってきたの、パソコンも。でも仕事はしばらくダメですよ?」
「うーん、気になるけど、そうだな。今は花純とゆっくり話す時間にしよう」
はい、と花純も微笑む。
ベッドの横の椅子に座り、光星の手を握りながら、千鶴とのことを話し出した。
「そうか、そんなことが……」
「千鶴ちゃんとの仲がこじれて、どうしていいか分からなくて、光星さんにも冷たく当たってしまったの。ごめんなさい。それに、こんなことになるなら恋愛しなければ良かった、なんて酷いことまで考えてしまって……。本当にごめんなさい」
頭を下げる花純に、光星は優しく笑いかける。
「謝ることなんてない。花純、以前言ってただろ? 私の中で恋愛は大して大きな割合を占めていないって。あの言葉の意味がようやく分かった。花純は身近にいる人や友達を大切にする人なんだ。自分の恋愛よりも他人を優先する。それは花純が心優しい証拠だよ。俺はそんな花純が誰よりも好きだ」
「光星さん……」
「杉崎さんとのことだって、たまたまタイミングが悪かっただけじゃないか? 本当は誰も悪くない」
「うん、ちゃんと謝れたからもう大丈夫。それに光星さんが救急車で運ばれる時、私に『しっかりしなさい!』って背中を押してくれたのも千鶴ちゃんなの」
「そうか。良かったな、花純」
うん! と笑顔で頷いてから、花純はしみじみと口を開いた。
「私、ずっと感謝します。千鶴ちゃんと滝沢くんに。そしてこれからは、誰よりも大切な光星さんのそばにいます。千鶴ちゃんも滝沢くんも、それを許してくれると思うから」
「そうだな。俺は必ず花純を幸せにする。二人に恥じないように、胸を張ってそう言うよ」
「私も、光星さんを想い続けます」
確かな絆が生まれるのを感じ、二人で見つめ合って微笑んだ。