Drive Someone Nuts
 注文を頼んで、割とすぐに飲み物だけ届いた。さ、と写真をスマートフォンで撮る。すきっ腹にいれるのは怖かったが、直ぐに乾杯して喉に流し込んだ。パイナップルの酸味と、いちごの酸味が口の中で弾けてさっぱりと美味しい。時々鼻をくすぐるミントもその爽やかさを強めている。ただ飲みやすすぎて危険だ。

「労働終わりのお酒は格別に美味しいですか」
「とっても」

 上機嫌に答えたのがなにか面白かったのが小さく笑った。

「それなら良かった。今更ですけど疲れてないですか?強引に誘った自覚はあります」

 自覚あったのか。

「悪い人ですね。私はちゃんと乗り気ですよ、安心してください」

 断ることなんて頭に入っていなかった。断ることが頭にあったならこの誘い方をされると断ったとき罪悪感が芽生えそうだ。そういったときふと虚を突かれた顔をした。

「……高瀬さんはもっと感情を隠すような人だと思ってました」
「どうして?」
「なんとなく、ですかね」
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