Drive Someone Nuts

「ここで食べたオムライスは美味しかった、卵がとろとろで絶品なんです」
「じゃあそれからずっとオムライスを？」
「勿論、好きになったものはとことん同じものを」

　なにやら誇らしげに胸を張るので笑ってしまった。

「じゃあそこまで嵌っているなら私もそうしようかな。あとフルーツカクテル！パイナップルといちごがあって絶対美味しいって思って」
「確かに美味しそう、よく美味しいってSNSで上がってるらしいよ。見た目も果物が写真よりたくさん入ってて凄く映えるって」
「詳しいんですね」
「予約しようか悩んで検索の口コミに載ってたんですよ」

　料理の写真を撮ってSNSをあげる、なんて今の世の中普通なのだ。高瀬もよくバイト先の新作やら友達と遊びに行ったときやら元カレとの写真もあげていた。元カレの写真は今は消しているが。ショートには際どい元カレとの情事を匂わせる投稿をしてしまって黒歴史ですらある。今はそのことは頭の片隅に追いやる。

「楽しみです。岡田さんは何にしますか？」
「じゃあ、俺は…シャンディガフでもしようかな」