Drive Someone Nuts
 健全な男子だったがこの女のせいで女に関しての嫌悪感が酷くなっていた。父親に関してはもう同じ人間だと思えなかった。暫くたってこの不気味な同居生活が普通になるころに、娘がいてまだ本人は離婚もしていないと聞いた。それは父親が廊下で電話越しに愚痴っていて偶然ヘッドホンを外していたから聞こえたのだ。この女に娘がいることの衝撃、そして俺と同じく凄まじい境遇に違いなく同情も沸いた。


 どんな子だろう。気が弱くて、母親と真逆なタイプだろうか。
 それとも同じか。


 ―――知りたい。


 一度気になったら、とことん知りたくなる気質は勉強においてはいいかもしれないが人に向けるものではないと知っていた。知っていながらも、止められなかった。女が寝ている時に女の荷物を漁って見つけた娘だろうと思われる写真を一枚、携帯のカメラで撮った。そして住所が書いてある免許証も同じように撮って部屋に戻った。高瀬絢、俺の三歳下。某SNSも学校名で検索をかけ、辿って見つけた。幸いにも鍵アカウントでなく、女のフリしてフォローしその後フォローを返された。全然更新していなかったからか交流も何もなかった。顔は可愛らしく小動物を思わせる風貌をしていた。写真も楽しい、と書きながらも笑顔には影が見えた。笑っているのに悲しそうな顔なのだ。そこに興味をひいた。
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