だから、あたしは
 うん。騎士っていい奴じゃん。今後は仲良くやれそうな気がしてきた。

 アイスキャンデーの爽やかな甘さに満足していると、首筋にこびりついていた血を濡れたタオルで丁寧に拭ってくれた。そして、真面目な顔でこう言った。

「もう学校には慣れたのか? クラスの奴等と仲良くやれているのか?」

「うん。不自由な事はないよ。だげと、ちょっと桃園はウザイよね」

「あのさ、桃園のことだけど、あいつ、ちょっと変わってるけど悪い奴じゃないよ。女の子みたいだって言われると激怒するんだ。そこだけは気をつけてやってくれ」

 騎士はベッドにゴロンと横になっている。あたしも隣のベッドに寝転がっていた。、何も言わずにぼんやりとしているうちに二人ともスヤスと眠りこけていたらしい。暑い午後の昼寝って、こんなにも気持ちいいのね。

「おい、起きろ。放課後になったぜ」
 
 半時間後。ゆっさゆっさと背中を揺するようにして騎士が起こしてくれた。ガバッと覆いかぶさるようにして覗き込んでいる。あたしを見守る騎士の目は優しかった。

 それにしても、彼の眼は猫科の動物っぽい。ミステリアスな目に吸い込まれそうになる。小麦色に焼けた二の腕の筋肉が目の保養になる。何より、彼は、屈託なく笑っている。ほんと、イケメン全開なのだ。

「ふうっ。ちょっと休むとだいぶん違うな

 欠伸をして背伸びしている。その綺麗な横顔を見ているうちに不覚にもキュンとなってしまったのよ。

「それじゃ、先に行くぜ。おまえはまだ眠いのならここにいていいぞ。どうせ、次は英会話だ。おまえ、英語、ペラペラだし習う必要ないもんな」

「うん。ここにいる」

「ほんじゃ、しっかり療養しろよ。先生には俺から言っといてやる」

 ヒラリと立ち去り際に見せた表情がキラリンと輝いているように見えるのはなぜかしら。

 キビキビとした動作とか肩のラインとか、お見事って感じのカッコ良さなのだ。やっぱり、騎士ってイケメンだわ。なーんてことを呑気に呟いていたりする。

 どうやら、この時から、あたしは騎士と一緒に過ごすことの心地良さを感じ始めていたようなのだ。 
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