だから、あたしは
「言動が可愛らしいから、もしかしたら、山田くんは、女の子なのかなぁと思ったんだよ。本当はどうなの?」
「こいつは男です。うちで預かっている大切な子なんです。多少、変わっていますが気にしないで下さい。たまに女言葉になりますが、単に日本語が苦手なだけですから! 聞き流してやって下さい」
あたしの肩を抱いて歩き出す騎士。しかし、その表情が硬くて声が険しくなっている。騎士は、せかせかとした声で言う。
「いいか。どうしても、野球部に居座るというなら先輩達に逆らうなよ。トラブルを起こすなよ」
その言葉にコクンと頷いていく。しかし、今後、とんでもないトラブルが起きることになるのだが、あたしは、この時点ではまだ気付いていなかった。