だから、あたしは
先輩や仲間の邪魔にならぬように隅っこにいたが、大河内は、迷うことなく近寄り親しげに笑いかけてくる。大河内は、野球をする時は眼鏡を外してコンタクトレンズを装着している。
「やぁ、山田くん一人なのかなぁ? 僕も一人なんだ。僕の相手をしてるかな?」
「僕がですか?」
「うん。ストレッチの相手をやってくれないかなぁ? こういうのは一人で出来ないからね~」
「分かりました」
腕や肩をストレッチする際には、相手の腕を圧迫しながら顔と顔が急速に接近してしまう。至近距離で大河内と目が合うと、そのオーラに巻き込まれて、こっちのペースが崩れそうになる。
「山田くん。相変わらず可愛いね~」
「質問してもいいですか。大河内さんはゲイなのですか? もしかして、男の子が好きなのですか?」
「まさか……」
半身を起こすと、彼は、あたしの背面に立ったのだ。お互いのストレッチは続いている。背後からあたしの両肘を掴むと、あたかもプロレスの決め技のように羽交い絞めしながら言う。
「はい。ここで息を止めて……」
うっーーー。痛いよぉーーーーーーー。
ストレッチ中の会話は苦しい。やだな。顔が引き吊ってしまうじゃないか。運動にまだまだ不慣れな背中の筋肉が悲鳴を上げている。
「最初は痛いけど慣れるよ。君も選手として頑張るんでしょう? それじゃ、横になって脚を大きく開いて」
地道にストレッチの続きをするしかないようだった。大河内は、あたしの股間に顔をつっこむような体勢になっているのだ。案の定、隣でストレッチをしている菊太郎が顔を真っ赤にしてこっちを見つめている。
「あっ……。いやっんっ、あっ」
痛い。いたたっーーーー。グイグイと片足を上げたまま攻められている。唇を歪めて痛みに耐えたわ。太股全体が軋んでいるんだもの。これはキツイぞ。大河内は容赦なく押さえ込み続けている
「んっ……。もう、駄目! 許してぇ」
あたしの音声だけ聞くと、かなりヤバイ感じ。脇を見ると菊太郎が顔を赤く染めていた。
「やべぇ……。いずみが無慈悲な美形に責められている可憐な美少女に見えてきたぞ。なんか、やべぇぞ。無駄にエロイ二人だよな」
「ああ、そうだな。ボーイズラブのヤバイ臭いがする。あそこだけ禁断の空気が漂ってやがるぜ」
二年のトレーナー志望の生徒達がヒソヒソと噂している。
「大河内ってさ、塩顔のイケメンなのに女の噂がないんだよなぁ。可愛い女子高校生から告白されても断ってたんだ……。なのに、山田には満面の笑顔を向けてるぜ。そう言えばさぁ、桃園が大河内を慕っていたことがあったっけな」
「もしかして、ボーイズラブの世界の人なのかなぁ……」
「馬鹿、おまえ、聞こえるぞ!」
かなり、大河内には気を使っているらしい。声を一段と潜めている。
「やぁ、山田くん一人なのかなぁ? 僕も一人なんだ。僕の相手をしてるかな?」
「僕がですか?」
「うん。ストレッチの相手をやってくれないかなぁ? こういうのは一人で出来ないからね~」
「分かりました」
腕や肩をストレッチする際には、相手の腕を圧迫しながら顔と顔が急速に接近してしまう。至近距離で大河内と目が合うと、そのオーラに巻き込まれて、こっちのペースが崩れそうになる。
「山田くん。相変わらず可愛いね~」
「質問してもいいですか。大河内さんはゲイなのですか? もしかして、男の子が好きなのですか?」
「まさか……」
半身を起こすと、彼は、あたしの背面に立ったのだ。お互いのストレッチは続いている。背後からあたしの両肘を掴むと、あたかもプロレスの決め技のように羽交い絞めしながら言う。
「はい。ここで息を止めて……」
うっーーー。痛いよぉーーーーーーー。
ストレッチ中の会話は苦しい。やだな。顔が引き吊ってしまうじゃないか。運動にまだまだ不慣れな背中の筋肉が悲鳴を上げている。
「最初は痛いけど慣れるよ。君も選手として頑張るんでしょう? それじゃ、横になって脚を大きく開いて」
地道にストレッチの続きをするしかないようだった。大河内は、あたしの股間に顔をつっこむような体勢になっているのだ。案の定、隣でストレッチをしている菊太郎が顔を真っ赤にしてこっちを見つめている。
「あっ……。いやっんっ、あっ」
痛い。いたたっーーーー。グイグイと片足を上げたまま攻められている。唇を歪めて痛みに耐えたわ。太股全体が軋んでいるんだもの。これはキツイぞ。大河内は容赦なく押さえ込み続けている
「んっ……。もう、駄目! 許してぇ」
あたしの音声だけ聞くと、かなりヤバイ感じ。脇を見ると菊太郎が顔を赤く染めていた。
「やべぇ……。いずみが無慈悲な美形に責められている可憐な美少女に見えてきたぞ。なんか、やべぇぞ。無駄にエロイ二人だよな」
「ああ、そうだな。ボーイズラブのヤバイ臭いがする。あそこだけ禁断の空気が漂ってやがるぜ」
二年のトレーナー志望の生徒達がヒソヒソと噂している。
「大河内ってさ、塩顔のイケメンなのに女の噂がないんだよなぁ。可愛い女子高校生から告白されても断ってたんだ……。なのに、山田には満面の笑顔を向けてるぜ。そう言えばさぁ、桃園が大河内を慕っていたことがあったっけな」
「もしかして、ボーイズラブの世界の人なのかなぁ……」
「馬鹿、おまえ、聞こえるぞ!」
かなり、大河内には気を使っているらしい。声を一段と潜めている。