だから、あたしは
ムカデ事件のあった日の夕飯は、あたしの部屋で一人で食べたいと申し出た。澄子さんは寂しそうにしていたが、あたしの気持ちを尊重して許してくれた。
「……御馳走様でした」
一応、自分のお皿を洗うルールは守って食器を洗っていると騎士が話しかけてきた。
「いずみ、いい加減にしろよ。皆で一緒にメシを食えよ。なぁ、いずみ、聞いてるのかよ」
ツンと横を向いてやると、澄子さんがハラハラしたように言った。
「いずみ君、うちの息子が何かしたのかしら? あたしからも謝るわね。この子、偉そうなところがあるものね。一緒に御飯を食べないのは剣のせいなのね」
その通りだよ。無神経な騎士に対して拗ねているのだ。だから、暗い声で呟いた。
「僕は一人でジックリと食べたいだけなんです。どうか気になさらないで下さい」
ああ、我ながら頑固だよ。
ホルモンバランスの変化のせいで感情の波が止まらなくなっている。女の子だった頃に生理前にイライラすることがあったけれど、それに似ている。
キーーーーーーッ。叫びたくなる。何かに八つ当たりしたくて堪らない。
引っ越して間もないというのに、あたしの心には暗雲がたれこめている。ここでの生活は前途多難なようである。
何しろ、人類が始めて体験する事だもの。あたしの身体はどうなるのかなんて、正直、よく分かっていない。
誰にも知られてはいけない秘密を抱えているあたしは、この悩みを誰にも打ち明けられない。多忙なパパにも相談できやしない。ホストファミリーとなった騎士家の人達には、『マレーシアはイスラム教徒が多い。心が乙女というのは、イスラムの教えに反するので苛められて日本に来た』というふうに伝えてある。
ほんと、どうなることやら。
「……御馳走様でした」
一応、自分のお皿を洗うルールは守って食器を洗っていると騎士が話しかけてきた。
「いずみ、いい加減にしろよ。皆で一緒にメシを食えよ。なぁ、いずみ、聞いてるのかよ」
ツンと横を向いてやると、澄子さんがハラハラしたように言った。
「いずみ君、うちの息子が何かしたのかしら? あたしからも謝るわね。この子、偉そうなところがあるものね。一緒に御飯を食べないのは剣のせいなのね」
その通りだよ。無神経な騎士に対して拗ねているのだ。だから、暗い声で呟いた。
「僕は一人でジックリと食べたいだけなんです。どうか気になさらないで下さい」
ああ、我ながら頑固だよ。
ホルモンバランスの変化のせいで感情の波が止まらなくなっている。女の子だった頃に生理前にイライラすることがあったけれど、それに似ている。
キーーーーーーッ。叫びたくなる。何かに八つ当たりしたくて堪らない。
引っ越して間もないというのに、あたしの心には暗雲がたれこめている。ここでの生活は前途多難なようである。
何しろ、人類が始めて体験する事だもの。あたしの身体はどうなるのかなんて、正直、よく分かっていない。
誰にも知られてはいけない秘密を抱えているあたしは、この悩みを誰にも打ち明けられない。多忙なパパにも相談できやしない。ホストファミリーとなった騎士家の人達には、『マレーシアはイスラム教徒が多い。心が乙女というのは、イスラムの教えに反するので苛められて日本に来た』というふうに伝えてある。
ほんと、どうなることやら。