だから、あたしは
 ギュウっ! 騎士に腕をまわしてわざしらしく甘えている。

「ねっ、ナイト! 一緒に御飯を作ろうよ。あたし、お腹、すいちゃったぁ。お茶でも飲みなさいよ」

「そうだな。腹が減ったな。お邪魔します」 

 騎士は、あたしから目を逸らしたままだった。やだ。騎士が彼女と共に室内へと消えていったのだ。玄関の扉が閉まっている。それを見た瞬間、あたしの中で緊張の糸がプツッと切れていたのだった。
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