筆頭魔術師様は悪女と呼ばれる呪われた令嬢の呪いを解きたい
2呪われた令嬢と筆頭魔術師
(本当に、婚約することになってしまったなんて……)
ティアラの目の前にはこの国筆頭魔術師のクレイスがいる。相変わらず美しい銀髪を風に靡かせ、紫水晶のようなキラキラした瞳でティアラを嬉しそうに見つめていた。
ティアラがニースに婚約破棄され、クレイスがティアラに婚約を申し込んだ日から、あれよあれよという間にクレイスからティアラの実家に正式に婚約の申込みの文書が届き、ティアラの両親はそれを読んで大喜びした。もちろん、断るという選択肢は皆無だ。
そんなわけで、今、ティアラはクレイスの屋敷に連れて来られ、コンサバトリーでお茶を飲んでいた。
「嬉しいな、君とこうして婚約して一緒に暮らせるだなんて」
「あの、本当にこれでよろしいのですか?私は本当につまらない女なのですが」
ティアラは戸惑っていたが、相変わらず無表情だ。だが、クレイスはそんなことは気にしていないようでずっとニコニコしている。
「いいんだよ、俺は君がつまらないだなんて思わない。むしろ楽しい子だと思っているよ」
(楽しい?私が?どうして?)
クレイスの言葉にティアラは心の底から驚いているが、やっぱり表情は変わらない。だが、クレイスはクスッと小さく、楽しそうに笑った。
「君に一つ謝らなければいけないことがあるんだ。俺は人の心が読める」
「……え?」
「と言っても、読心魔法は制限があるから、限られた条件でしか発動できない。今回の場合は、君に近づくために最低限の読心魔法を起動させたんだ」
(え?私の心が読めるの?……ということは、もしかして夜会の時にお腹が空いていたこともバレてる?)
「うん、そうだね。あんな状況でも悲しむより先に二人のことを気遣い、さらにはお腹が空いてオードブルやケーキに釘付けだった。だから君はつまらなくない、楽しい子だと思ったんだよ」
(えええええええええええ!?)
ティアラの目の前にはこの国筆頭魔術師のクレイスがいる。相変わらず美しい銀髪を風に靡かせ、紫水晶のようなキラキラした瞳でティアラを嬉しそうに見つめていた。
ティアラがニースに婚約破棄され、クレイスがティアラに婚約を申し込んだ日から、あれよあれよという間にクレイスからティアラの実家に正式に婚約の申込みの文書が届き、ティアラの両親はそれを読んで大喜びした。もちろん、断るという選択肢は皆無だ。
そんなわけで、今、ティアラはクレイスの屋敷に連れて来られ、コンサバトリーでお茶を飲んでいた。
「嬉しいな、君とこうして婚約して一緒に暮らせるだなんて」
「あの、本当にこれでよろしいのですか?私は本当につまらない女なのですが」
ティアラは戸惑っていたが、相変わらず無表情だ。だが、クレイスはそんなことは気にしていないようでずっとニコニコしている。
「いいんだよ、俺は君がつまらないだなんて思わない。むしろ楽しい子だと思っているよ」
(楽しい?私が?どうして?)
クレイスの言葉にティアラは心の底から驚いているが、やっぱり表情は変わらない。だが、クレイスはクスッと小さく、楽しそうに笑った。
「君に一つ謝らなければいけないことがあるんだ。俺は人の心が読める」
「……え?」
「と言っても、読心魔法は制限があるから、限られた条件でしか発動できない。今回の場合は、君に近づくために最低限の読心魔法を起動させたんだ」
(え?私の心が読めるの?……ということは、もしかして夜会の時にお腹が空いていたこともバレてる?)
「うん、そうだね。あんな状況でも悲しむより先に二人のことを気遣い、さらにはお腹が空いてオードブルやケーキに釘付けだった。だから君はつまらなくない、楽しい子だと思ったんだよ」
(えええええええええええ!?)