筆頭魔術師様は悪女と呼ばれる呪われた令嬢の呪いを解きたい
ティアラは無表情のまま心の中で絶叫する。すると、クレイスは大きな声で笑い出した。
「あはは!ごめん、笑うなんて失礼だね。でも、そんなに無表情なのに心の中では絶叫してるから、面白くて……君は本当に楽しい子だよ」
(うっ、そうだった、心が読まれているんだった……恥ずかしい!)
「ははは、って、本当にごめん。でも、そのおかげで君と俺はこうしてスムーズに会話することができている。君がどんなに無表情でも、俺は君が感情豊かだということを知っているんだ。どうだろう、婚約者になったことだし、君さえ良ければこの読心魔法をこのまま続けたいんだけどいいかな?もちろん、最低限という制約はかかったままだ」
クレイスの提案に、ティアラは両目を大きく見開く。だが、大きく見開いただけでやはり無表情だ。
(確かにクレイス様とは問題なく会話できてる、それに私と会話してこんなに楽しそうに笑う方は初めてだわ。制約があるのなら、別に問題はないのかもしれない。でも、制約があってもどのくらい心が読まれてしまうのかしら?)
「そうだな、今の会話くらいなら難なく読めるよ。でも、君が俺に心を読まれたくないということは読めない。それは君が無意識でもだ。モヤがかかったようにわからなくなる」
「なるほど。……そういうことでしたら、問題ありません。クレイス様がそれをお望みであれば、このまま魔法をかけたままで大丈夫です」
「ありがとう、これでこれからも君と楽しい会話ができるね。嬉しいな」
フフッと嬉しそうに笑うクレイスに、ティアラの心臓がなぜか少しだけ大きく鳴り響いた。だが、ティアラはなぜそんな風になるのかわからないし、相変わらず表情も変わらない。
ふと、向かいに座っていたクレイスが立ち上がり、ティアラに近づいて来た。そして、そっとティアラに手を伸ばす。
(え?)
すぐ近くにいるクレイスの手は、ティアラの髪の毛にそっと触れた。
「葉っぱがついていたよ。コンサバトリーだから、近くにあった観葉植物から落ちてきたのかもしれないね」
手に葉を掴みながら美しく微笑むクレイスを見て、ティアラは今度こそ心臓が大きく跳ね上がった。
(な、に?どうして心臓がドクドクと鳴っているの?)
「ドキッとした?」
「……え?」
「これからも、君の心をたくさん動かしてあげるよ。楽しみにしてて」
ティアラの耳元でクレイスがそっと囁いた。その囁きに、ティアラの胸がより一層大きく鳴り響く。クレイスはティアラの顔を見て妖艶に微笑み、自分の座っていた椅子にまた腰掛けた。 ガラス張りのコンサバトリーに差し込む日の光に照らされて、クレイスの銀髪の髪が美しく光っていた。
「あはは!ごめん、笑うなんて失礼だね。でも、そんなに無表情なのに心の中では絶叫してるから、面白くて……君は本当に楽しい子だよ」
(うっ、そうだった、心が読まれているんだった……恥ずかしい!)
「ははは、って、本当にごめん。でも、そのおかげで君と俺はこうしてスムーズに会話することができている。君がどんなに無表情でも、俺は君が感情豊かだということを知っているんだ。どうだろう、婚約者になったことだし、君さえ良ければこの読心魔法をこのまま続けたいんだけどいいかな?もちろん、最低限という制約はかかったままだ」
クレイスの提案に、ティアラは両目を大きく見開く。だが、大きく見開いただけでやはり無表情だ。
(確かにクレイス様とは問題なく会話できてる、それに私と会話してこんなに楽しそうに笑う方は初めてだわ。制約があるのなら、別に問題はないのかもしれない。でも、制約があってもどのくらい心が読まれてしまうのかしら?)
「そうだな、今の会話くらいなら難なく読めるよ。でも、君が俺に心を読まれたくないということは読めない。それは君が無意識でもだ。モヤがかかったようにわからなくなる」
「なるほど。……そういうことでしたら、問題ありません。クレイス様がそれをお望みであれば、このまま魔法をかけたままで大丈夫です」
「ありがとう、これでこれからも君と楽しい会話ができるね。嬉しいな」
フフッと嬉しそうに笑うクレイスに、ティアラの心臓がなぜか少しだけ大きく鳴り響いた。だが、ティアラはなぜそんな風になるのかわからないし、相変わらず表情も変わらない。
ふと、向かいに座っていたクレイスが立ち上がり、ティアラに近づいて来た。そして、そっとティアラに手を伸ばす。
(え?)
すぐ近くにいるクレイスの手は、ティアラの髪の毛にそっと触れた。
「葉っぱがついていたよ。コンサバトリーだから、近くにあった観葉植物から落ちてきたのかもしれないね」
手に葉を掴みながら美しく微笑むクレイスを見て、ティアラは今度こそ心臓が大きく跳ね上がった。
(な、に?どうして心臓がドクドクと鳴っているの?)
「ドキッとした?」
「……え?」
「これからも、君の心をたくさん動かしてあげるよ。楽しみにしてて」
ティアラの耳元でクレイスがそっと囁いた。その囁きに、ティアラの胸がより一層大きく鳴り響く。クレイスはティアラの顔を見て妖艶に微笑み、自分の座っていた椅子にまた腰掛けた。 ガラス張りのコンサバトリーに差し込む日の光に照らされて、クレイスの銀髪の髪が美しく光っていた。