残念姫、王子に溺愛される
「え?」

「僕はね。
君に“結婚を前提に”交際を申し込んだ。
恋羽は、どんな気持ちで僕を受け入れてくれたの?」

「それは、私も……
私も、歩稀さんとそうなれたらいいと思ってます!」

「良かった!
……………ちょっと心配してたから(笑)」

「はい//////」

「このマンションもね。
“君と暮らすために買ったんだ”」
歩稀が室内を見渡しながら言った。

「え…!?そう…だったんですか…!?」

「それでね。
僕は、恋羽が大学卒業したら……
君と結婚したい………!」

「……/////」

そして、歩稀は胸ポケットから指輪ケースを出した。

「まだ知り合ったばかりで、知らないことの方が多い。
でも、なぜかわからないけど……
恋羽と一緒なら、幸せになれるって自信があるんだ!
僕の、お嫁さんになってください……!」

「はい…!//////」

恋羽は歩稀のケースを持っている手を、両手で包み込むように握った。

そして指輪ケースを開けた歩稀が、恋羽の左手の薬指に指輪をはめた。

「それでね。
来年……君が大学四年生になったら、ここに越して来ない?
花嫁修業じゃないけど、準備みたいな!
できる限り早く、恋羽と一緒に暮らしたい……!」

そして恋羽の左手の薬指にキスを落とした。

「……/////
本当に、歩稀さんは王子様みたいですね…//////」

「え?(笑)」

「行動全てが綺麗で、愛で溢れてる//////」

「そう?(笑)
でも、恋羽を惚れさせないとだからね!
紳士的に取り繕うよ?(笑)」

「じゃあ…本当は、悪い人なんですか?(笑)」

「フフ…それはもう…悪魔そのモノ!(笑)
恋羽も知ってるよね?」

「うーん…
そうだとしても、でももう…手遅れです…(笑)」

「え?」

「歩稀さんに、惚れちゃったから…//////」

「フフ…嬉しいな!
大丈夫!
それは、学生の時。
今は違うから……!
恋羽のために“王子”でいるよ!」


それから―――――

テーブルの上にご馳走が並び……
「カンパーイ!!」
食事をした。

「ん!このワイン、美味しい…!」

「そう?」

「飲みやすいです!」

「良かった!
お酒、あんまり飲まないって言ってたから」

「ありがとうございます!
お料理も、とても美味しいです!」

「気に入ってもらえて良かったよ!」

「私も、頑張らなきゃですね!」

「ん?」

「来年から、歩稀さんを支えられるように!」

「無理はしないでね?
“大切なのは、僕達が一緒にいられること”なんだから……!」


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