残念姫、王子に溺愛される
「フフ…ほんと、可愛い!
わ…顔、真っ赤!(笑)」
向き直させ、顔を覗き込んだ。

「だ、だって…歩稀さんが、へ、変なことするから…//////」

「だって、ヤキモチ妬いたんだもん!」

「え?」

「しょうがないことだけど、緋月には嫉妬しちゃうんだ。
ほんと、二人は仲良いよね。
羨ましいな、緋月」

「えーと……前にも話した通り―――――」

「わかってるよ?
兄貴なんだよね?
でもね。
僕は、君の未来の旦那。
なのに、壁がある感じがする」

「壁…ですか?」

「うん。きっと、緋月には甘えたりするんでしょ?」

「………」

「でも、僕には甘えるどころか……
他人みたいで…やだ…」

「歩稀さん…」

「だから、敬語やめない?」

「あ…そうです…あ、そうだね!」

「うん、それでもっと僕に甘えて?
緋月よりも、僕を頼って?」

「うん……!
…………フフ…歩稀さんって…」

「ん?」

「可愛い!」

「/////は?」

「フフ…
可愛い!
私も、もっと歩稀さんと親しくなりたい!」
クスクス笑って、見上げる恋羽。

「……/////」

「フフ…フフフ…!」

「……ったく…(笑)
―――――…っしょっと…!」
恋羽の尻の下を持ち、縦抱きをした。

「え!?ちょ…歩稀さん!!?
お、下ろして!!」

「ちょっと、むかついた!(笑)」
恋羽を見上げ、意味深に微笑んだ。

「え……ご、ごめんなさい!!」

「恋羽」

「は、はい」

「キスして?」

「え…//////」

「ほら!ん!して?」
目を瞑り、キス待ちする。

「……/////」
恋羽は心臓をバクバクさせながら、震える手で歩稀の頬に触れた。
顔を近づけ、口唇を重ねる。

口づけて離すと、歩稀が「もっと!」と言う。
「舌、絡めてよ」

「え!?//////そ、そんな高度な技、出来ない…」

「僕に合わせてくれればいいから。
ね?ほら!舌、おいで?」
口を少し開けて待つ歩稀にゆっくり口唇を寄せ、口唇を重ねる。
歩稀の舌が絡んできて、恋羽は必死に応えるように舌を絡ませた。

「………ん…はぁ…フフ…上手!(笑)
ねぇ、恋羽。
“もっと、親しくなろ?”」

「え……?」

歩稀は抱き上げたまま、寝室に移動した。


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