残念姫、王子に溺愛される
「いただきます!」

歩稀の作った夕食を食べる。
手を合わせ、歩稀に挨拶しロールキャベツを口に入れる。
「………んー!美味しい!
歩稀さん、とっても美味しいです!」

「フフ…良かった!」
満面の笑みの恋羽に、歩稀も嬉しくなる。

スープやサラダなども、恋羽は美味しい、美味しいと言って食べていた。

それから………一緒に手を合わせ“ごちそうさま”をして、食器をキッチンに持っていく。

「歩稀さん、お片付けは私にさせてください!」

「え?
じゃあ…一緒に………」

「ダメです!
歩稀さんは、座っててください!
コーヒー淹れますね!」

恋羽に押されるようにソファに誘導された、歩稀。
困ったように笑って、腰掛けた。

恋羽がコーヒーを淹れて、ローテーブルに置く。
「ゆっくりされててくださいね!」

そう言って微笑み、キッチンへ戻った。

歩稀はソファから、恋羽を見つめていた。
あれから何度もここには来ているので、もう中のことは全てわかっている。
手際良く片付けていく姿が、小動物みたいで可愛い。

歩稀は微笑み、見惚れていた。

そこに、恋羽のスマホの着信音が鳴り出した。
「ん?恋羽〜電話だよ!」

「あ!はい!」
パタパタと駆けてきて、スマホを確認する。
「ん?緋月くんだ!」

「は?緋月…!?」
その名前を聞いただけで、一気に嫉妬心が膨れ上がる。

「…………もしもし?
…………うん、うん。
え!?」

驚いたように声を上げると、リビングを出ていった恋羽。
歩稀も当然気になり、追いかけた。

部屋に向かった恋羽は、スマホを肩と耳で挟み、何かを探しながら通話をしていた。

「あ、やっぱないみたい…
…………うん、うん。
ほんと!?ありがとう!
うん、うん。じゃあ…明日ね!
フフ…
あ、うん!頑張る!
緋月くんこそ!」

通話を終えた恋羽。
すかさず後ろから抱き締めた、歩稀。

「え…//////ほ、歩稀さん!?」

「終わった?」

「あ、はい!」

「何の話してたの?」

「あ…友達にポーチを作る約束してて、その型紙を実家に忘れてたみたいで緋月くんが知らせてくれたんです」

「そっか」
そう呟いて、恋羽のうなじにキスを落とした歩稀。
そのまま吸い付いた。

「んん…/////
や…/////」

甘い声が出て、恋羽は慌てて口を塞いだ。


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