残念姫、王子に溺愛される
結局、歩稀が朝食を作り済ませた二人。
片付けは、恋羽が半ば無理矢理行った。

今は、ソファで寛いでいる。

「恋羽、今日はどうしようか?
どっか行きたいとこある?」

「特には…」

「うーん…また、お店回りする?」

「………
歩稀さんは?」

「ん?俺?」

「歩稀さんのしたいことしたい」

「………」

「歩稀さん?」

「俺のしたいことは、とんでもないことだよ?」

「え?」

「恋羽を抱きたい」

「………」

「………」

「………」

「………」

「………え…//////」
みるみる顔が赤くなっていく、恋羽。

「……フフ…!」

「え?え?」

「ほんっと…可愛いね!
ハハハ〜ッ!!」
楽しそうに笑い出す、歩稀。

「歩稀さん?」

「ごめんね(笑)
からかったわけじゃないんだけど、どんな反応見せてくれるかなって思って!」

「………酷い!歩稀さん!」
そう言って、両手で顔を覆う。

「え……こ、はね…?」

「うぅ…こんなの、酷いよぉ…」

「あ…ごめんね…!お願い…泣かないで?
俺、恋羽に泣かれたら、どうすればいいかわからなくなる……」
オロオロし始める、歩稀。
恋羽を自分の方に向かせて、両手を優しく掴み開かせた。
顔を覗き込むように言う。

「フフ…」

「え?え?」

「フフ…歩稀さん、引っかかった~!」

「は?嘘泣き?」

「フフ…」

「恋羽!?」

「でも、元はと言えば歩稀さんがからかうのがいけないんだよ?」

「あ…そ…だよね(笑)
ごめんね!」

「なのでバツとして、歩稀さんは今日家事をしてはいけません!」

「え?」

「私が“全て”するから、お休みすること!」
そう言って恋羽は、満足そうにドヤ顔をした。

「………フフ…
はぁ…ほんっと…恋羽には敵わないな!」

「え?え?歩稀さん?」
 
「わかった!
恋羽の言う事聞くよ!」

そう言って歩稀は、恋羽の頬にキスをした。


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