残念姫、王子に溺愛される
それからはなんとか穏やかに食事が済み、会計をしてレストランを出た四人。
エレベーターに向かう途中。
マリホが恋羽に言った。
「恋羽ちゃん」
「あ、はい!」
「ちょっと、歩稀を借りてい?
緋月と三人で、少しだけ話したいことがあるの。
そんなに時間をかけないから、先に降りて一階のカフェで待っててくれる?」
「え?はい、わかりました!
じゃあ…お先に…!」
微笑み恋羽がエレベーターに乗り込む。
微笑み小さく手を振る恋羽に、微笑み返して扉がしまった。
そして、歩稀と緋月を見据えた。
「二人とも、いい加減にしなよ」
「………」
「………」
マリホの言わんとしてることがわかり、口をつぐむ歩稀と緋月。
「二人揃って、みっともない嫉妬して……!
恋羽ちゃん、かなり気を遣ってたわよ!?」
「ごめん…」
「悪かった…」
「緋月、歩稀が“最低だった”ことはわかる。
私も、かなり利用されたし。
私だって、正直信じられないところがある。
……………でも、緋月も知ってる通り“今は誠実に”仕事や恋羽ちゃんに向き合ってるでしょ?
“恋羽ちゃんを信じてあげなよ!”」
「うん、そうだね」
「歩稀も!
緋月に変な嫉妬なんかしないで、真っ直ぐ恋羽ちゃんを見てあげなよ!
緋月は、恋羽ちゃんにとってお兄さんなんだから!
しょうがないところはあるでしょ?
もっと広い心で構えてあげなよ!」
「うん」
「歩稀」
「ん?」
「恋羽ちゃんには、言わないでほしいんだけど……
私と緋月“お互い好きで結婚するんじゃないの”」
「………は?」
「“契約結婚”なの」
「なん…で?」
「もちろん“友人としては”お互いに好き。
でも、お互いに“叶わない恋をしてるの”」
「それって……」
「“叶わない恋の相手のことは察して?”」
「………」
マリホは、きっと教授のことだろう。
じゃあ…緋月は?
やっぱり緋月は、恋羽のことを……?
だったらなんであの時。
“あくまで恋愛対象ではないが、大切な人”
………なんて言ったんだ?
それだったらはっきり“恋羽のことが好き”と言うよな?
歩稀は三人でエレベーターを降りながら、考えを巡らせていた。
エレベーターに向かう途中。
マリホが恋羽に言った。
「恋羽ちゃん」
「あ、はい!」
「ちょっと、歩稀を借りてい?
緋月と三人で、少しだけ話したいことがあるの。
そんなに時間をかけないから、先に降りて一階のカフェで待っててくれる?」
「え?はい、わかりました!
じゃあ…お先に…!」
微笑み恋羽がエレベーターに乗り込む。
微笑み小さく手を振る恋羽に、微笑み返して扉がしまった。
そして、歩稀と緋月を見据えた。
「二人とも、いい加減にしなよ」
「………」
「………」
マリホの言わんとしてることがわかり、口をつぐむ歩稀と緋月。
「二人揃って、みっともない嫉妬して……!
恋羽ちゃん、かなり気を遣ってたわよ!?」
「ごめん…」
「悪かった…」
「緋月、歩稀が“最低だった”ことはわかる。
私も、かなり利用されたし。
私だって、正直信じられないところがある。
……………でも、緋月も知ってる通り“今は誠実に”仕事や恋羽ちゃんに向き合ってるでしょ?
“恋羽ちゃんを信じてあげなよ!”」
「うん、そうだね」
「歩稀も!
緋月に変な嫉妬なんかしないで、真っ直ぐ恋羽ちゃんを見てあげなよ!
緋月は、恋羽ちゃんにとってお兄さんなんだから!
しょうがないところはあるでしょ?
もっと広い心で構えてあげなよ!」
「うん」
「歩稀」
「ん?」
「恋羽ちゃんには、言わないでほしいんだけど……
私と緋月“お互い好きで結婚するんじゃないの”」
「………は?」
「“契約結婚”なの」
「なん…で?」
「もちろん“友人としては”お互いに好き。
でも、お互いに“叶わない恋をしてるの”」
「それって……」
「“叶わない恋の相手のことは察して?”」
「………」
マリホは、きっと教授のことだろう。
じゃあ…緋月は?
やっぱり緋月は、恋羽のことを……?
だったらなんであの時。
“あくまで恋愛対象ではないが、大切な人”
………なんて言ったんだ?
それだったらはっきり“恋羽のことが好き”と言うよな?
歩稀は三人でエレベーターを降りながら、考えを巡らせていた。