残念姫、王子に溺愛される
処理できない、苦痛

【苦しい結婚式】

今日はいよいよ、緋月とマリホの結婚式。

「――――うん、うん!
わかった。
俺は、会場前で待ってるから!」

恋羽は実家から両親と一緒に出席するため、一度実家に帰り着替えてくる。
歩稀はスーツ姿で、会場前で今か今かと待っていた。

車がゆっくり近づいてきて、運転手が出てきて助手席を開けた。
恋羽の父親が出てくる。

「歩稀くん、待たせたね」

「いえ!
お義父様、ご無沙汰してます!」
丁寧に頭を下げる。

後部座席から母親と恋羽が降りてきた。

「……//////」
歩稀は、恋羽に見惚れていた。

あまりにも綺麗で……

「歩稀さん?」

「え…あ!
恋羽、綺麗だよ!惚れ直しちゃった!」

「そんな…/////歩稀さんこそ、とっても素敵です!/////」

受付して、会場に入る。
参列者達が、歩稀を見て見惚れている。

「あの人、聖王財閥の御曹司でしょ?」
「綺麗…//////」
「まさに“天性の王子”ね!」

恋羽は恥ずかしくなり、歩稀の背に隠れるように引いた。

友人の席に歩稀と恋羽達は座る。

「素敵な会場だね!」

「そうだね!
…………今後の参考にしなきゃね!」
恋羽に耳打ちすると、嬉しそうにはにかんだ。

式が始まり、滞りなく進んでいく。

「マリホさん、綺麗//////」
感激したように見惚れている、恋羽。

「………」

いやいや、綺麗なのは断然“恋羽だよ”

「緋月くんも、素敵!」

「………」

緋月なんか褒めないでよ。

キラキラしている恋羽の隣で、歩稀はずっとモヤモヤした気分に包まれていた。

そんな中、恋羽はずっと気になっていた。


緋月くん……なんか、切ない顔してる………
どうして……?


それから―――――グラスを持ち、緋月とマリホの元へ向かう歩稀と恋羽、タツシ。

「緋月くん、マリホさん!
ご結婚、おめでとうございます!」

微笑み挨拶をすると、緋月とマリホは揃って「ありがとう!」と微笑んだ。

「………」
(やっぱり、緋月くんおかしい…)

そして………式が終わり、二次会に行くことにした歩稀、恋羽、タツシ。

そこでも緋月は、なんとも言えない表情をしていた。


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