残念姫、王子に溺愛される
休日。
昼前にある公園で待ち合わせた、歩稀達五人。
恋羽のお気に入りのあの公園だ。
この公園には、桜の木は3本程しかない。
しかし人はそんなに多くなくて、何より景色が格別だ。
歩稀達は、景色を眺めていた。
「ところで、タツシ」
緋月に言われ「ん〜?」と返事をする、タツシ。
「どうしたの?
タツシが、花見なんてびっくりしたんだけど!」
「たまにはいいじゃん!
酒を飲みながら、花を見るってのも!」
「タツシの場合、花より団子……いや、花より美女だろ!」
歩稀に突っ込まれる。
「そう?(笑)」
「それにしても、景色綺麗ね!」
マリホが景色を見ながら、歓喜の声を上げる。
「フフ…ですよね!
ここ、夜に来るととってもロマンチックなんですよ!
是非、緋月くんと来てみてください!」
「え?あ、そうね。
恋羽ちゃんも、歩稀と来たことあるの?」
「あ、いえ…夜はありません。
日中に、一度だけ」
「フフ…“ここで!”恋羽が俺の想いに応えてくれたんだよね!」
恋羽の腰を抱いて、微笑んだ歩稀。
恋羽の髪の毛にキスを落とした。
「あ…うん//////」
「フフ…ラブラブね!」
そんな三人を見ながら、タツシが隣に立つ緋月をそっと見つめた。
「………」
恋羽を見つめる緋月が、なんとも言えない表情だった。
穏やかで柔らかくて、そして…甘い雰囲気と表情。
あぁ…やっぱこいつ……
好きなんだ……!
お姫様のこと。
緋月に声をかけた。
「緋月、聞きたいことあんだけど」
「何?」
「マリホのどこが好きなの?」
「は?」
隣に立っているタツシを見る。
「お前“本当は”お姫様のことが好きだろ?
あ、もちろん“女としてな”」
「なんで、そんなこと聞くの?」
「お前とお姫様は、兄妹みたいなんだろ?
なのに歩稀は、去年初めてお姫様のことを知った。
お前と歩稀は中学ん時からの友達なのに。
普通、おかしいだろ?
わざわざ紹介しなかったとしても、何かの形で会ったりとかするはず。
なのに、知らないっつうことは、どう考えても“緋月がわざと会わせなかった”としか考えられない」
「………」
「だから、聞いてる。
本当は緋月。
“女として、姫乃原 恋羽が好きだろ?”」
タツシが緋月を見据えている。
緋月はその時、はっきり反論出来なかった。
昼前にある公園で待ち合わせた、歩稀達五人。
恋羽のお気に入りのあの公園だ。
この公園には、桜の木は3本程しかない。
しかし人はそんなに多くなくて、何より景色が格別だ。
歩稀達は、景色を眺めていた。
「ところで、タツシ」
緋月に言われ「ん〜?」と返事をする、タツシ。
「どうしたの?
タツシが、花見なんてびっくりしたんだけど!」
「たまにはいいじゃん!
酒を飲みながら、花を見るってのも!」
「タツシの場合、花より団子……いや、花より美女だろ!」
歩稀に突っ込まれる。
「そう?(笑)」
「それにしても、景色綺麗ね!」
マリホが景色を見ながら、歓喜の声を上げる。
「フフ…ですよね!
ここ、夜に来るととってもロマンチックなんですよ!
是非、緋月くんと来てみてください!」
「え?あ、そうね。
恋羽ちゃんも、歩稀と来たことあるの?」
「あ、いえ…夜はありません。
日中に、一度だけ」
「フフ…“ここで!”恋羽が俺の想いに応えてくれたんだよね!」
恋羽の腰を抱いて、微笑んだ歩稀。
恋羽の髪の毛にキスを落とした。
「あ…うん//////」
「フフ…ラブラブね!」
そんな三人を見ながら、タツシが隣に立つ緋月をそっと見つめた。
「………」
恋羽を見つめる緋月が、なんとも言えない表情だった。
穏やかで柔らかくて、そして…甘い雰囲気と表情。
あぁ…やっぱこいつ……
好きなんだ……!
お姫様のこと。
緋月に声をかけた。
「緋月、聞きたいことあんだけど」
「何?」
「マリホのどこが好きなの?」
「は?」
隣に立っているタツシを見る。
「お前“本当は”お姫様のことが好きだろ?
あ、もちろん“女としてな”」
「なんで、そんなこと聞くの?」
「お前とお姫様は、兄妹みたいなんだろ?
なのに歩稀は、去年初めてお姫様のことを知った。
お前と歩稀は中学ん時からの友達なのに。
普通、おかしいだろ?
わざわざ紹介しなかったとしても、何かの形で会ったりとかするはず。
なのに、知らないっつうことは、どう考えても“緋月がわざと会わせなかった”としか考えられない」
「………」
「だから、聞いてる。
本当は緋月。
“女として、姫乃原 恋羽が好きだろ?”」
タツシが緋月を見据えている。
緋月はその時、はっきり反論出来なかった。