残念姫、王子に溺愛される
二次会会場である、レストラン内。

注目されているのは、主役の緋月とマリホではなく……

「お二人は、いつ出逢ったんですか?」
「歩稀が“天性の王子”なら、恋羽さんは“天使なお姫様”ね!」

「“残念のお姫様”ってゆうから、もっと地味なのかと思ってた〜」

歩稀と恋羽が、注目を受けていた。

「あ、あの!
今日の主役は、緋月くんとマリホさんなので……
私達の話は…」

「あ!そうだった!」
「ごめん!緋月!マリホ!」
「つい…(笑)」

緋月とマリホが微笑み「そうだよー!」と言った。

「…………てか!
緋月、恋羽さんと幼なじみなんだよな?」

「うん」

「へぇ~!
緋月は、恋羽さんに惚れたりしなかったの〜?」
「だよな!
こんな可愛いんだし!」

友人達の、何気ない言葉。

「………」
思わず、緋月は言葉に詰まった。

「………」
「………」
「………」

そしてそれは、歩稀、マリホ、タツシもだ。

なんとなく不穏な空気が流れる。

「………え…なん…か、俺達…」

「へ、変なこと…言っ、た…?」

「あ、えーと……
それはないですよ!
私、緋月くんに“妹として”大切って言われましたから!
それに、今は沢山の方に“可愛い”って言っていただけてますが……
前は凄く地味だったので……(笑)
私のことなんか好きになりませんよ(笑)」

そんな雰囲気を払拭するように、恋羽が微笑み言う。

「恋羽、そんなこと言わないの!
言ったよね?
俺には、輝いて見えたって!」

「歩稀さん…//////
ありがとう…!」

「ラブラブね!」
「なんか…お似合ーい!」
「悔しいけど…似合ってる!」

「ねぇ~キスしちゃえよ!!」
「王子とお姫様のキス見たーい!」

「キース!キース!キース!!」

微笑み合う歩稀と恋羽を、みんなが煽てて巻き付ける。

「………」
その光景を、緋月は睨みつけていた。

やめろ……!
やめろ……!
やめろ……!

ガタン……!!!

勢いよく立ち上がった、緋月。
椅子が倒れる音が、響き渡った。

「え……」
「緋月?」

シン…と静かになり、緋月は無言でレストランを出ていった。


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