残念姫、王子に溺愛される
「え……緋月くん…?」
「あ…ヤバ…調子乗りすぎた…」
「そうよ!
今日は、緋月とマリホさんの式なのよ!」
「ご、ごめん!」
「マリホさん、すんません!」
「ううん!
大丈夫!
………ったく…(笑)緋月も、ノリが悪いんだから!(笑)」
マリホが苦笑いをする。
恋羽は立ち上がり「ちょっと行ってきます」と緋月を追った。
「え……恋羽…!?」
緋月は、レストランの裏で壁にもたれて空を見上げていた。
「緋月くん!」
「え?あ、恋羽」
「どうしたの?」
「ううん!
ほら、レストラン戻りな!
僕もすぐ行くから」
優しく微笑む、緋月。
しかし、とても切なそうだ。
そこに歩稀、マリホ、タツシも駆けつけ、二人に見えない距離から話を聞いていた。
「…………緋月くん、今日ずっとおかしいよ?」
「え?」
「というより…
マリホさんとの結婚の報告をしてくれた頃から」
「………そうかな?」
「うん。
心ここにあらずだし、何より嬉しそうじゃない。
今日もなんだかずっと、悲しそうだった」
「ほんと、昔から僕のことをよく見ててくれるよね(笑)恋羽」
「え?」
「物心ついた時から、恋羽はずっと僕の後ろをくっついて来てた!」
「そ…そうかな…(笑)//////」
「それが、可愛くてさ!
ずっと愛おしかった……!」
「緋月くん…」
「どんな小さなことでも僕に話してきて、相談してきてくれて、頼って、慕ってくれてた!」
「うん/////」
「高校生の時。
初めて“恋人が出来た!”って打ち明けてくれた時。
本当に、苦しかった」
「え……」
「“僕の恋羽が取られる”って!」
「え?え?緋月くん?」
「恋羽の隣にいて、頼られて、慕われて、守るのは僕の役目。
それを一気に取られた感覚だった」
「………」
「実はさ。
高校の卒業式の時に“別れた”って聞いた時、内心本当に嬉しかったんだ!」
「え……緋月く…なん…で…?」
「大学であいつに騙されて、傷ついて、部屋に籠もった時も!
嬉しかった!」
「ど…して……!?」
「………」
緋月が、恋羽を見据える。
そして……ゆっくり近づき、手を掴んだ。
そのまま引っ張って、抱き締め言った。
「――――恋羽、やっぱり僕は……
歩稀との結婚を祝福出来ない………!!」
「あ…ヤバ…調子乗りすぎた…」
「そうよ!
今日は、緋月とマリホさんの式なのよ!」
「ご、ごめん!」
「マリホさん、すんません!」
「ううん!
大丈夫!
………ったく…(笑)緋月も、ノリが悪いんだから!(笑)」
マリホが苦笑いをする。
恋羽は立ち上がり「ちょっと行ってきます」と緋月を追った。
「え……恋羽…!?」
緋月は、レストランの裏で壁にもたれて空を見上げていた。
「緋月くん!」
「え?あ、恋羽」
「どうしたの?」
「ううん!
ほら、レストラン戻りな!
僕もすぐ行くから」
優しく微笑む、緋月。
しかし、とても切なそうだ。
そこに歩稀、マリホ、タツシも駆けつけ、二人に見えない距離から話を聞いていた。
「…………緋月くん、今日ずっとおかしいよ?」
「え?」
「というより…
マリホさんとの結婚の報告をしてくれた頃から」
「………そうかな?」
「うん。
心ここにあらずだし、何より嬉しそうじゃない。
今日もなんだかずっと、悲しそうだった」
「ほんと、昔から僕のことをよく見ててくれるよね(笑)恋羽」
「え?」
「物心ついた時から、恋羽はずっと僕の後ろをくっついて来てた!」
「そ…そうかな…(笑)//////」
「それが、可愛くてさ!
ずっと愛おしかった……!」
「緋月くん…」
「どんな小さなことでも僕に話してきて、相談してきてくれて、頼って、慕ってくれてた!」
「うん/////」
「高校生の時。
初めて“恋人が出来た!”って打ち明けてくれた時。
本当に、苦しかった」
「え……」
「“僕の恋羽が取られる”って!」
「え?え?緋月くん?」
「恋羽の隣にいて、頼られて、慕われて、守るのは僕の役目。
それを一気に取られた感覚だった」
「………」
「実はさ。
高校の卒業式の時に“別れた”って聞いた時、内心本当に嬉しかったんだ!」
「え……緋月く…なん…で…?」
「大学であいつに騙されて、傷ついて、部屋に籠もった時も!
嬉しかった!」
「ど…して……!?」
「………」
緋月が、恋羽を見据える。
そして……ゆっくり近づき、手を掴んだ。
そのまま引っ張って、抱き締め言った。
「――――恋羽、やっぱり僕は……
歩稀との結婚を祝福出来ない………!!」