残念姫、王子に溺愛される
想いが繋がる
後日。

「お嬢様!
聖王様が来られてますよ!」

「え!?」

「応接室にお通ししてます!」

「嘘…//////
ど、どうしよう…
この格好変よね!?
着替え…あ、でも、お待たせするのは失礼よね!?」

「大丈夫ですよ、お嬢様!
とっても、可愛らしくて素敵です!」

「そ、そう?//////」

家政婦に言われ、なんとか気持ちを落ち着かせ、恋羽は顔を赤らめながら応接室へ向かった。


「――――恋羽嬢!
突然、ごめんね!」

「あ…//////いえ//////
でも、どうされましたか?」

「恋羽嬢に会いたくて!」

「え…//////」

「……って理由じゃダメかな?」

「……/////」

ゆっくり立ち上がった歩稀。
恋羽の隣に座った。

「明日、あいてる?」

「え?」

「デートしない?」

「……/////」
(デート!?)

「“口説く”って言ったよね?
――――――――」


そして……翌日。
迎えに来た歩稀。

「わぁ…/////可愛いね!
惚れ直しそう!」
お洒落をしている恋羽に、歓喜の声をあげた。

「……/////」
(聖王様こそ、素敵…//////)

車の助手席に乗せられた。
「シートベルト、締めるね!」

「あ…じ、自分で…//////」

「いいから!」
シートベルトを締めて、歩稀が恋羽の方を向いた。

間近に歩稀の綺麗な顔があり、恋羽の顔はあっという間に赤くなり、心臓がバクバクし始めた。
「フフ…可愛いな!
じゃあ…行こうか!」

そして発進する。

恋羽は、緊張を少しでも落ち着かせようと窓の外を眺めていた。
「あ、あの…何処に行くんですか?」

「恋羽嬢は、ドライブ好き?」

「え?あ、はい」

「良かった!
ちょっと遠出して、美味しい海鮮を食べて帰ろ?
美味しい所、知ってるんだ!」

「はい」

しばらく走って……赤信号で止まり、歩稀は恋羽の手を握った。

「……/////」
落ち着いていた恋羽の顔が、再びが赤く染まる。

「恋羽嬢にね、聞いてもらいたいことがあるんだ!」

「はい//////」

「本当は、ちゃんと面と向かって話すべきことなんだけど……
僕も、不安で……
運転しながらなら、話せるかなって思って!」

「はい」

そして青信号になり、歩稀が恋羽の頭をポンポンと撫でて、発進させた。


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