貴方がいるから晴れになる
1、もやもやの曇り空
「じゃあ皆さん自由に見学してみて下さい」
と先生の掛け声で私はぼーーとしていた意識を取り戻した。
さっきは部活見学の説明をしていたようだが、ようやく終わったようだ。
部活入る気ないんだよなぁ……。
部活一覧もいちおう見たが、特に入りたいと思うものもなかった。
自由参加らしいのでそのまま帰ろうとカバンを持とうと動いた時、
「詩月(しづき)ちゃん!!」
名前を呼ばれ、振り向くと中学の頃からの友達の希美(のぞみ)ちゃんが手を振りながらこっちに向かってきた。
「良かったら一緒に部活見学しない?」
明るい笑顔でそう言われ、私はいつものように微笑む。
「うん、行こう」
とカバンを持とうとした腕を止め、そう言った。
「詩月ちゃんはどこの部活入るの?」
「私はまだ迷ってるなぁ、希美ちゃんはやっぱりテニス部?」
「うん!!中学生の時もそうだったし、第一候補かな!!」
とニコニコしながら希美ちゃんは話してくれる。
正直とても可愛い。
そんなことを考えていたら、
「もう私たち高校生だし、彼氏とか出来ちゃうのかな〜」
「希美ちゃん可愛いから、きっとすぐにできちゃうよ」
私がそう言うと、希美ちゃんは
「全然!!そんなことないよ!!だったら、詩月ちゃんなんて優しいし、めっちゃ可愛いしモテモテだよ!!」
正直絶対そんなことないけど、きっと否定したら希美ちゃんはもっと否定してくるので私は微笑んで感謝の言葉だけ言っておいた。
「ありがとう」
そんな話をしながら、二人でテニス部まで行こうと外に出た時、花壇の所に人だかりが出来ていた。
「わぁ!!こんなに運動部希望者がいるんだね!!」
希美ちゃんはそう言うが、運動部にしたら場所がおかしい。
運動部だったら、普通決められた場所でやるのではないのだろうか。テニス部がテニス場でするように。ほかの部活も見てみると、それぞれ特定の場所でやっている。
陸上部のように校舎の周りを走っているのかと思えば、花壇の所から全く動かない。
一体どんな部活なのか、希美ちゃんと背伸びをして見ようとするが、男女が平等にその場所にいるので全然見れない。
しかも人がそれぞれ話しているので、とてもざわざわしていて、気になるという気持ちよりはやく去りたいという気持ちの方が大きくなる。
私は希美ちゃんに早く行こうと声を掛けようとした途端、この騒音とは違う大きな声が響いた。
「自分ら、やかましいわ!!入る気あんなら手伝え!!入らんならさっさとどっか行けや!!」
それを聞いた人達はビビりながら、一気にどこかへ消えた。
私と希美ちゃんがそこでぽつん…と立っていると
「あーーー!!もう冬(ふゆ)なにしてんの!?」
「せっかくたくさんの後輩がいたのにーー」
と同じ部活の人達がその人に怒っていた。
まぁ正直、部活見学は自分たちの部活に入ってもらうためにアピールをしているのに、あんなことをしてしまったら意味が無い気がする。
そう考え、私はハッとし、まだ隣でぼーーとしている希美ちゃんを呼び起こして二人でそそくさとあの声が大きい人の「あーーーー!!」という声を後ろに聞きながらその場を離れた。
そこから少し離れて、
「さっきの人達、ボランティア部の先輩だったね!!みんな美形だったーー!!」
と希美ちゃんは嬉しそうに話している。
ボランティア部ーーたしか去年から新しくできた部活だったような気がする。名前の通り、学校の掃除をしたり、近所の人達の手伝いをするような活動のようだ。
私は希美ちゃんの話に相槌をうちながら、さっきの人を思い返す。
「そういえばさっきの先輩、関西弁だったね」
「そうなの!!西村冬(にしむらふゆ)先輩!!さっきはちょっと怖かったけどかっこいいよね〜」
希美ちゃんはその先輩のことを知っていたようだ
「あ!!詩月ちゃん、テニス部見えたよ!!行こ!!」
という声が聞こえ、私はうんと返し、テニス部に向かった。
と先生の掛け声で私はぼーーとしていた意識を取り戻した。
さっきは部活見学の説明をしていたようだが、ようやく終わったようだ。
部活入る気ないんだよなぁ……。
部活一覧もいちおう見たが、特に入りたいと思うものもなかった。
自由参加らしいのでそのまま帰ろうとカバンを持とうと動いた時、
「詩月(しづき)ちゃん!!」
名前を呼ばれ、振り向くと中学の頃からの友達の希美(のぞみ)ちゃんが手を振りながらこっちに向かってきた。
「良かったら一緒に部活見学しない?」
明るい笑顔でそう言われ、私はいつものように微笑む。
「うん、行こう」
とカバンを持とうとした腕を止め、そう言った。
「詩月ちゃんはどこの部活入るの?」
「私はまだ迷ってるなぁ、希美ちゃんはやっぱりテニス部?」
「うん!!中学生の時もそうだったし、第一候補かな!!」
とニコニコしながら希美ちゃんは話してくれる。
正直とても可愛い。
そんなことを考えていたら、
「もう私たち高校生だし、彼氏とか出来ちゃうのかな〜」
「希美ちゃん可愛いから、きっとすぐにできちゃうよ」
私がそう言うと、希美ちゃんは
「全然!!そんなことないよ!!だったら、詩月ちゃんなんて優しいし、めっちゃ可愛いしモテモテだよ!!」
正直絶対そんなことないけど、きっと否定したら希美ちゃんはもっと否定してくるので私は微笑んで感謝の言葉だけ言っておいた。
「ありがとう」
そんな話をしながら、二人でテニス部まで行こうと外に出た時、花壇の所に人だかりが出来ていた。
「わぁ!!こんなに運動部希望者がいるんだね!!」
希美ちゃんはそう言うが、運動部にしたら場所がおかしい。
運動部だったら、普通決められた場所でやるのではないのだろうか。テニス部がテニス場でするように。ほかの部活も見てみると、それぞれ特定の場所でやっている。
陸上部のように校舎の周りを走っているのかと思えば、花壇の所から全く動かない。
一体どんな部活なのか、希美ちゃんと背伸びをして見ようとするが、男女が平等にその場所にいるので全然見れない。
しかも人がそれぞれ話しているので、とてもざわざわしていて、気になるという気持ちよりはやく去りたいという気持ちの方が大きくなる。
私は希美ちゃんに早く行こうと声を掛けようとした途端、この騒音とは違う大きな声が響いた。
「自分ら、やかましいわ!!入る気あんなら手伝え!!入らんならさっさとどっか行けや!!」
それを聞いた人達はビビりながら、一気にどこかへ消えた。
私と希美ちゃんがそこでぽつん…と立っていると
「あーーー!!もう冬(ふゆ)なにしてんの!?」
「せっかくたくさんの後輩がいたのにーー」
と同じ部活の人達がその人に怒っていた。
まぁ正直、部活見学は自分たちの部活に入ってもらうためにアピールをしているのに、あんなことをしてしまったら意味が無い気がする。
そう考え、私はハッとし、まだ隣でぼーーとしている希美ちゃんを呼び起こして二人でそそくさとあの声が大きい人の「あーーーー!!」という声を後ろに聞きながらその場を離れた。
そこから少し離れて、
「さっきの人達、ボランティア部の先輩だったね!!みんな美形だったーー!!」
と希美ちゃんは嬉しそうに話している。
ボランティア部ーーたしか去年から新しくできた部活だったような気がする。名前の通り、学校の掃除をしたり、近所の人達の手伝いをするような活動のようだ。
私は希美ちゃんの話に相槌をうちながら、さっきの人を思い返す。
「そういえばさっきの先輩、関西弁だったね」
「そうなの!!西村冬(にしむらふゆ)先輩!!さっきはちょっと怖かったけどかっこいいよね〜」
希美ちゃんはその先輩のことを知っていたようだ
「あ!!詩月ちゃん、テニス部見えたよ!!行こ!!」
という声が聞こえ、私はうんと返し、テニス部に向かった。
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