貴方がいるから晴れになる
部活見学が終わり、時計を見ればかなり遅い時間になってしまった。

まぁ別に遅くても誰も言う人いないけど……。

今日は騒がしい一日だったからか、家が余計静かに感じる。


手を洗い、冷蔵庫の中身を見てみると、スーパーのお惣菜が置いてある。

お母さん、帰ってきてたんだ…。

きっともう母は恋人の所に行ったのだろう。
父も最近、家には帰ってこない。

私はため息を吐いて部屋に入った。

部屋に入った瞬間、しわを気にせず、制服のままベッドに飛び込む。

お母さん…入学式は来てくれたのにもう顔を見せてきてくれない…。お父さんも中学の卒業式から会えていない…。

両親はいつからこうなってしまったんだろう。
昔はとても仲良しだったのに…。

私はよく分からない、このもやもやな気持ちに目を逸らすかのように、顔を枕にうずめた。

少し寝てしまったのだろう。スマホを開くともう二時間も寝てしまったらしい。

制服はしわになってしまっていないか少し焦ったけれど案外大丈夫だった。

遅れた時間を取り返すために、急いでお風呂やご飯などを済ませ、テーブルに今日、学校で配られたプリント類を置く。サインが必要な場合は紙に書いて置いておけば、学校から帰ってくる頃には書いてある。

どうして私が学校にいる時間に帰るの...?…いや両親もきっと仕事があるのだから仕方ない。

ご飯も用意してくれるし、生活用品、スマホなどのお金も払ってくれている、それに私と会った時は二人とも、とても優しい…でも…でも、…この、心に曇りがかったこの気持ちは何なのだろう。

ふと考えた。でも、きっと答えは出ないだろう。

この事を考えるのはやめようと、別のことを考える。布団に入りながら、今日の出来事を振り返る。

今日の朝はパンを食べた。

三時間目、歴史の先生がダジャレを言って滑っていた。 私はけっこう良いと思ったけど…。

放課後、希美ちゃんと一緒に部活見学をした。
そしたら関西弁の先輩が大きい声を出した。
あの人はだれだっけ…?希美ちゃんが言ってた気がする。

あぁ…そうだ……。
にしむらふゆ先輩……。

私はそう考えながら、眠りについた。
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