貴方がいるから晴れになる
2、嵐のような人
もうあれから数日経ち、学校にも慣れ始め、部活動体験なども終わり、みんなそれぞれの部活をし始めた。
私は結局、希美ちゃんと一緒に色々な部活を見て回ったが部活動はやっぱり入らなかった。
「詩月ちゃん!!また明日ね!!」と元気そうに言って部活動に行く希美ちゃんに「またねー」と返して、私も帰る準備をする。
希美ちゃんは第一候補のテニス部に所属した。部活動の仲間とも仲良くなったらしく、とても楽しそうにしている。
ーー部活動ってお金かかるし、たくさん二人に迷惑かけちゃうだろうし、入らなくて正解だよね......。
私はそう考えながら、楽しそうに部活動をしている人達を見つめた。
学校の校門辺りに来たところで、こちらをじーーと見ている人を見つけた。
ネクタイの色的に二年生かな...?
この学校は学年ごとにネクタイの色が違う。
一年生は緑、二年生は青、三年生は黄色だ。
一体どうしてこちらを見ているのだろう?と思いながら会釈をして通り過ぎようとしたら、
「ちょっと待って!!」
と声を掛けられた。
まさか自分が声を掛けられるとは思っておらず、少しびっくりしてしまった。
目の前の先輩は私が驚いてしまったことに申し訳ない顔をしていた。
「わぁぁ、ほんとにごめんね」その先輩が言う。
「いいえ、こちらこそ」 私が返す。
「本当に急なんだけど、ボランティア部に興味はない!?」
「え...」
「僕、二年の佐藤 陽 (さとう はる)って言うんだけど...実は...部員が誰も来なくて...」
ボランティア部...私が希美ちゃんと一緒に部活見学をしていた時を思い出す。たしか、関西弁の先輩がとても大きな声で怒っていた。そうだ、西村冬先輩。
「あの時、冬があんなこと言わなければ...」と西村先輩のことを言っているのだろう。
やっぱりあの時のことか...と、私は佐藤先輩に同情した。
「あぁ、今はそうじゃなくて」と思い出したかのように佐藤先輩はこちらに視点を戻す。
「ごめんね、今、部活に入ってないってことは入る気がなかったんだと思うんだけど、明日からちょっと遅めの部活体験があるんだ!!ぜひ!!体験してみない!!」
きっと入部者がいると思ったのに全く来なかったんだなと察することができた。
申し訳ないと思いつつ、断ろうと口を開いた瞬間、
「おい、陽!!」とよく耳に通る声が聞こえた。
ばっと二人して振り返り、声を掛けた人物を見つめた。
「お、新しい部員見つけたん?」と歩きながら、西村先輩が佐藤先輩に問う。
佐藤先輩がジト目で西村先輩を見つめて、「今、頑張って説得してるんだよ」と答えた。
西村先輩は「ふーん」と特に気にしていなさそうな声だった。そして不意に私に「なぁ」と話しかけてきた。
さすがに不意打ちすぎて、ワンテンポ遅れてしまった...
「...は、はい...」
「明日、予定なかったら体験来いや」不敵な笑みでそう言う。
「...え...!?」
「ほな、またな〜。あと陽、先生に呼ばれとんぞ」
そういって西村先輩は去ってしまった...。
佐藤先輩も「え...!?ほんと...!?ちょっと待って冬!!」と言いながら先輩を追う。
そして思い出したかのように振り返り、私に
「呼び止めたのに本当にごめんねーー、明日全然来なくても大丈夫だから、気にしないでねーー」
と言い残して校舎に戻って行った。
私は結局、希美ちゃんと一緒に色々な部活を見て回ったが部活動はやっぱり入らなかった。
「詩月ちゃん!!また明日ね!!」と元気そうに言って部活動に行く希美ちゃんに「またねー」と返して、私も帰る準備をする。
希美ちゃんは第一候補のテニス部に所属した。部活動の仲間とも仲良くなったらしく、とても楽しそうにしている。
ーー部活動ってお金かかるし、たくさん二人に迷惑かけちゃうだろうし、入らなくて正解だよね......。
私はそう考えながら、楽しそうに部活動をしている人達を見つめた。
学校の校門辺りに来たところで、こちらをじーーと見ている人を見つけた。
ネクタイの色的に二年生かな...?
この学校は学年ごとにネクタイの色が違う。
一年生は緑、二年生は青、三年生は黄色だ。
一体どうしてこちらを見ているのだろう?と思いながら会釈をして通り過ぎようとしたら、
「ちょっと待って!!」
と声を掛けられた。
まさか自分が声を掛けられるとは思っておらず、少しびっくりしてしまった。
目の前の先輩は私が驚いてしまったことに申し訳ない顔をしていた。
「わぁぁ、ほんとにごめんね」その先輩が言う。
「いいえ、こちらこそ」 私が返す。
「本当に急なんだけど、ボランティア部に興味はない!?」
「え...」
「僕、二年の佐藤 陽 (さとう はる)って言うんだけど...実は...部員が誰も来なくて...」
ボランティア部...私が希美ちゃんと一緒に部活見学をしていた時を思い出す。たしか、関西弁の先輩がとても大きな声で怒っていた。そうだ、西村冬先輩。
「あの時、冬があんなこと言わなければ...」と西村先輩のことを言っているのだろう。
やっぱりあの時のことか...と、私は佐藤先輩に同情した。
「あぁ、今はそうじゃなくて」と思い出したかのように佐藤先輩はこちらに視点を戻す。
「ごめんね、今、部活に入ってないってことは入る気がなかったんだと思うんだけど、明日からちょっと遅めの部活体験があるんだ!!ぜひ!!体験してみない!!」
きっと入部者がいると思ったのに全く来なかったんだなと察することができた。
申し訳ないと思いつつ、断ろうと口を開いた瞬間、
「おい、陽!!」とよく耳に通る声が聞こえた。
ばっと二人して振り返り、声を掛けた人物を見つめた。
「お、新しい部員見つけたん?」と歩きながら、西村先輩が佐藤先輩に問う。
佐藤先輩がジト目で西村先輩を見つめて、「今、頑張って説得してるんだよ」と答えた。
西村先輩は「ふーん」と特に気にしていなさそうな声だった。そして不意に私に「なぁ」と話しかけてきた。
さすがに不意打ちすぎて、ワンテンポ遅れてしまった...
「...は、はい...」
「明日、予定なかったら体験来いや」不敵な笑みでそう言う。
「...え...!?」
「ほな、またな〜。あと陽、先生に呼ばれとんぞ」
そういって西村先輩は去ってしまった...。
佐藤先輩も「え...!?ほんと...!?ちょっと待って冬!!」と言いながら先輩を追う。
そして思い出したかのように振り返り、私に
「呼び止めたのに本当にごめんねーー、明日全然来なくても大丈夫だから、気にしないでねーー」
と言い残して校舎に戻って行った。