呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
カフェテラスの椅子に座ったイブリーヌは、注文した料理が運び込まれた瞬間に、キラキラと瞳を輝かせた。
(チョコレートケーキ、おいしそう……)
数あるスイーツの中から一つだけを選べなかった彼女は、一口サイズのミニケーキがスクエア型にカットされたアラカルトを注文していた。
だが、そこにはチョコレートケーキだけがラインナップされていない。
(人のものを欲しがるなんて、駄目だよね……)
自分の分はこうして、目の前に用意されているのだ。
それを食べることに集中するべきだろう。
そうして気持ちを切り替えたイブリーヌはスプーンとフォークを手に取り、夫の注文したものから視線を外すが――。
「食べるか」
恨めしそうにオルジェントがスプーンをチョコレートケーキに突き刺した様子を、じっと見つめていたからだろう。
その視線に気づいた彼は、スプーンでケーキを一口切り分けてから。
妻へと差し出した。
(チョコレートケーキ、おいしそう……)
数あるスイーツの中から一つだけを選べなかった彼女は、一口サイズのミニケーキがスクエア型にカットされたアラカルトを注文していた。
だが、そこにはチョコレートケーキだけがラインナップされていない。
(人のものを欲しがるなんて、駄目だよね……)
自分の分はこうして、目の前に用意されているのだ。
それを食べることに集中するべきだろう。
そうして気持ちを切り替えたイブリーヌはスプーンとフォークを手に取り、夫の注文したものから視線を外すが――。
「食べるか」
恨めしそうにオルジェントがスプーンをチョコレートケーキに突き刺した様子を、じっと見つめていたからだろう。
その視線に気づいた彼は、スプーンでケーキを一口切り分けてから。
妻へと差し出した。