呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
(やっぱり、やめよう……)
悪しき魂に頼るべきではないと首を振った彼女は、必死に考える。
どうすればこの状況を、一人で打破できるのかと。
(陛下か白猫さんが、見つけてくださるのを……。待つしか、ないのかな……)
――散々迷った挙句。
自らの足で寝室へ戻るのを諦めた彼女は、ドレスが汚れるのも厭わずにその場へ腰を下ろそうとして――。
「まぁ! そこにいるのは、イブリーヌ様ではありませんの!」
わざとらしく大声を上げた女性に、呼び止められた。
イブリーヌにとってその声の主は、どんなことがあっても忘れられない。
(この声……)
なぜならば彼女は、イブリーヌがオルジェントに離縁を切り出すきっかけになった人物であったからだ。
「ごきげんよう! お一人ですの?」
夫と不倫している疑いのあった女性は、青白い顔で後ろを振り返ったイブリーヌに、満面の笑みを浮かべて声をかけてきた。
彼女は気まずそうに視線を逸らしながら、声を震わせる。
悪しき魂に頼るべきではないと首を振った彼女は、必死に考える。
どうすればこの状況を、一人で打破できるのかと。
(陛下か白猫さんが、見つけてくださるのを……。待つしか、ないのかな……)
――散々迷った挙句。
自らの足で寝室へ戻るのを諦めた彼女は、ドレスが汚れるのも厭わずにその場へ腰を下ろそうとして――。
「まぁ! そこにいるのは、イブリーヌ様ではありませんの!」
わざとらしく大声を上げた女性に、呼び止められた。
イブリーヌにとってその声の主は、どんなことがあっても忘れられない。
(この声……)
なぜならば彼女は、イブリーヌがオルジェントに離縁を切り出すきっかけになった人物であったからだ。
「ごきげんよう! お一人ですの?」
夫と不倫している疑いのあった女性は、青白い顔で後ろを振り返ったイブリーヌに、満面の笑みを浮かべて声をかけてきた。
彼女は気まずそうに視線を逸らしながら、声を震わせる。