呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「帝国民よりも愛されたいなど、願ってはいけないんですのよ」

 公爵令嬢としてきちんとした教育を受けていれば、馬鹿らしいと一蹴できる内容でも。そうした知識のないイブリーヌにとってはそ、れが嘘か真実かの区別がつけられない。

(この人は私から、殿下と縁を断ち切ってほしいと思っているの……?)

 イブリーヌが疑心暗鬼に陥ったことで、亡霊達は自分達に答えを求めたのだと勘違いしたのだろう。
 今まで大人しかったのが嘘のように。彼らは彼女の耳元で恐ろしい声を響かせる。

『この女の言うとおり!』
『嫌われる努力をした方が、愛し子は幸せになれるよ!』
『意味不明な言葉を囁く邪魔な存在なんて、やっつけちゃえ』

 不愉快な笑い声とともに姿を見せた悪しき魂達は、悪意を持って言葉を重ねるアメリの味方をした。
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