呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「そうですわ。あなたのお役目、変わって差し上げましょうか」
「な、何を、言って……」
「あなたが苦しくてつらい思いをしたこと。コクマから聞きましてよ。すべてを肩代わりして差し上げますから……。妻の座もわたくしにくださいな」
「え……?」
オルジェントに出会う前ならば――。
誰かに変わってもらえると提案された瞬間。
喜んでその地位と名誉を差し出していただろう。
「で、できません……」
イブリーヌの望みは、普通の女性としてのんびりと穏やかに。
ささやかな幸せを享受することであったからだ。
「そ、そんなの、無理……です……」
だが――イブリーヌは気づいてしまった。
彼女にとってオルジェントは。
幸せになるために必要な、人生の一部となっているのだと……。
「そうですの」
アメリの相槌を耳にしたイブリーヌは、ほっと胸を撫で下ろす。
公爵令嬢が、彼女からオルジェントを奪おうとするのを諦めたと勘違いしたからだ。
「で、ですか、ら……」
「では、始末するしかありませんわね?」
アメリは何かを言いかけたイブリーヌの言葉を遮ると、こてりと右側に首を傾げる。
「な、何を、言って……」
「あなたが苦しくてつらい思いをしたこと。コクマから聞きましてよ。すべてを肩代わりして差し上げますから……。妻の座もわたくしにくださいな」
「え……?」
オルジェントに出会う前ならば――。
誰かに変わってもらえると提案された瞬間。
喜んでその地位と名誉を差し出していただろう。
「で、できません……」
イブリーヌの望みは、普通の女性としてのんびりと穏やかに。
ささやかな幸せを享受することであったからだ。
「そ、そんなの、無理……です……」
だが――イブリーヌは気づいてしまった。
彼女にとってオルジェントは。
幸せになるために必要な、人生の一部となっているのだと……。
「そうですの」
アメリの相槌を耳にしたイブリーヌは、ほっと胸を撫で下ろす。
公爵令嬢が、彼女からオルジェントを奪おうとするのを諦めたと勘違いしたからだ。
「で、ですか、ら……」
「では、始末するしかありませんわね?」
アメリは何かを言いかけたイブリーヌの言葉を遮ると、こてりと右側に首を傾げる。