呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「陛下は、私を……愛して、くださっているのですか……?」

 小馬鹿にしたように顔を歪めて。

『そんなわけがないだろう』

そう紡がれるはずの言葉は、いつまで経っても聞こえてこなかった。
 オルジェントは唇を噛み締め、ぎこちなく頷く。

(陛下が、私を?)

 その姿を目にしたイブリーヌは、動揺を隠せない。

「どうして、言葉にしてくださらないのですか……」
「事情があるんだ」
「陛下がただ一言、私に愛を囁いてくだされば……。それだけで……」
「できない」

 思わず唇から零れ落ちた彼女の疑問を、夫は取りつく暇もなく拒絶する。

(陛下が、よく、わからない……)

 彼からの口づけを受けて幸せでいっぱいだったイブリーヌは、再び奈落の底へと突き落とされた。

「私のことが好きなら……っ!」
「イブリーヌ。君は、俺をどう思っている」

 愛してもらえると思っていた。
 彼と一緒なら、どんな困難も乗り越えられると信じていたのに――。
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