呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
『君は自身が、皇帝である自覚はないのかい?』
仕方なくアヘルムス国にやってきたオルジェントは、苛立ちを隠しきれない様子で足元の獣を睨みつける。
(変装など無意味だ。大鎌を背中に背負う銀髪の男など、俺以外に見たことがない)
心の中でそう反論した彼は、ヘスアドス帝国の紋章が施された黒いマントを翻し、堂々と目的の場所へ向かって歩き出す。
(想像以上に、悪意が増幅しているな……)
悪しき魂の気配は、目的地に近づけば近づくほど色濃くなっていく。
大鎌を一振りした程度では、全てを消滅させきれないほどの濃度だ。
闇のオーラに耐性のない人間は、ここまで辿り着くことすら難しい。
『僕の伝えたことは、正しかっただろう?』
現状を知ったオルジェントが身を引き締めて大地を踏みしめれば。
得意げな白猫の声が、どこからともなく聞こえてくる。
彼はその言葉を無視すると、背中に背負った大鎌の柄を掴み――彼女の姿を目撃した。
仕方なくアヘルムス国にやってきたオルジェントは、苛立ちを隠しきれない様子で足元の獣を睨みつける。
(変装など無意味だ。大鎌を背中に背負う銀髪の男など、俺以外に見たことがない)
心の中でそう反論した彼は、ヘスアドス帝国の紋章が施された黒いマントを翻し、堂々と目的の場所へ向かって歩き出す。
(想像以上に、悪意が増幅しているな……)
悪しき魂の気配は、目的地に近づけば近づくほど色濃くなっていく。
大鎌を一振りした程度では、全てを消滅させきれないほどの濃度だ。
闇のオーラに耐性のない人間は、ここまで辿り着くことすら難しい。
『僕の伝えたことは、正しかっただろう?』
現状を知ったオルジェントが身を引き締めて大地を踏みしめれば。
得意げな白猫の声が、どこからともなく聞こえてくる。
彼はその言葉を無視すると、背中に背負った大鎌の柄を掴み――彼女の姿を目撃した。