呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「なんだ、ここは……」
顔を上げた彼の目に飛び込んできたのは、悪しき魂達が犇めき合う――今にも崩れ落ちそうな、2階建ての古びた洋館であった。
『趣がある建物だね』
「は、はい。そうなんです。いつ倒壊するかわからないので、長い間立ち入りが禁じられていたそうで……」
イブリーヌの暮らす建物を目にしたシロムの感想は、完全に嫌味であったが……。
彼女にはうまく、伝わらなかったようだ。
「そんな場所で、よく暮らせるな」
「雨風を凌げる場所は、ここしか知らないので……」
オルジェントが素直な気持ちを口にすれば、イブリーヌはどこか寂しそうに微笑むと、彼に中へ入るように告げた。
(やらかしたな……)
言葉選びを間違えたことに気づいた彼は露骨に顔を顰めたが、オルジェントに背を向けた彼女はそれに気づけない。
二人の仲を取り持つため、白猫は明るい声をイブリーヌに向けて響かせた。
顔を上げた彼の目に飛び込んできたのは、悪しき魂達が犇めき合う――今にも崩れ落ちそうな、2階建ての古びた洋館であった。
『趣がある建物だね』
「は、はい。そうなんです。いつ倒壊するかわからないので、長い間立ち入りが禁じられていたそうで……」
イブリーヌの暮らす建物を目にしたシロムの感想は、完全に嫌味であったが……。
彼女にはうまく、伝わらなかったようだ。
「そんな場所で、よく暮らせるな」
「雨風を凌げる場所は、ここしか知らないので……」
オルジェントが素直な気持ちを口にすれば、イブリーヌはどこか寂しそうに微笑むと、彼に中へ入るように告げた。
(やらかしたな……)
言葉選びを間違えたことに気づいた彼は露骨に顔を顰めたが、オルジェントに背を向けた彼女はそれに気づけない。
二人の仲を取り持つため、白猫は明るい声をイブリーヌに向けて響かせた。