呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「お、お待たせいたしました……!」
大鎌を手に呆然と突っ立っていた彼の姿を目にしたイブリーヌは、ビクリと全身を震わせ硬直した。
鋭利な刃物の切っ先が、自身に向けられていると気づいたからだ。
「あ、あの……」
『大丈夫だよ、イブリーヌ。オルジェントは、君を傷つけたりはしない』
「そ、そう……。です、よ、ね……。陛下は……私に施しをくださった方、ですから……。勘違いしてしまい、大変、申し訳……ございません……」
「いや……」
オルジェントはバツが悪そうに視線を逸らすと、背中に大鎌を背負い直す。
(助かった。ハクマも、たまにはやるじゃないか)
彼はそう関心しながら、彼女の足元から順を追って頭上を見つめ――見違えるほどに美しくなったイブリーヌの姿を認識する。
「よく、似合っている」
オルジェントの声を耳にした彼女は嬉しそうに口元を緩めると、恥ずかしそうに身体を揺らしながら、彼にお礼を告げた。
「あ、ありがとう……ございます……」
彼女が全身を揺らすたびに、ドレスの裾がオルジェントを誘うようにひらりひらりと揺れている。
大鎌を手に呆然と突っ立っていた彼の姿を目にしたイブリーヌは、ビクリと全身を震わせ硬直した。
鋭利な刃物の切っ先が、自身に向けられていると気づいたからだ。
「あ、あの……」
『大丈夫だよ、イブリーヌ。オルジェントは、君を傷つけたりはしない』
「そ、そう……。です、よ、ね……。陛下は……私に施しをくださった方、ですから……。勘違いしてしまい、大変、申し訳……ございません……」
「いや……」
オルジェントはバツが悪そうに視線を逸らすと、背中に大鎌を背負い直す。
(助かった。ハクマも、たまにはやるじゃないか)
彼はそう関心しながら、彼女の足元から順を追って頭上を見つめ――見違えるほどに美しくなったイブリーヌの姿を認識する。
「よく、似合っている」
オルジェントの声を耳にした彼女は嬉しそうに口元を緩めると、恥ずかしそうに身体を揺らしながら、彼にお礼を告げた。
「あ、ありがとう……ございます……」
彼女が全身を揺らすたびに、ドレスの裾がオルジェントを誘うようにひらりひらりと揺れている。