呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「言葉には、できない」
「それでは、意味がありません……」
「俺は興味のない女を、妻に娶るような男でもなければ。君を蔑ろにして別の女とよろしくやるような、不誠実な人間ではない」

 珍しく饒舌なオルジェントは、妻の誤解を解くために言葉を重ねるが……。
 そうした態度は、この場しのぎの嘘をついて。
 どうにかイブリーヌの心を、繋ぎ止めようとしているようにしか見えなかった。

(こんな言い訳をされるくらいなら、信じてくれの一言で黙っていてくれた方が、よっぽどマシだ……)

 彼女が泣きたくなる気持ちをぐっと堪えながら、唇を噛みしめるのを見かねたのだろう。
 助け舟を出したのは、亡霊達ではなく――成り行きを見守っていた白猫であった。

『オルジェント……。君にとっては事情を説明しているつもりでも、イブリーヌには言い訳をしているようにしか聞こえないよ……』

 その様子を見かねたハクマは、呆れた声で口を挟む。
イブリーヌ以外が耳にしても、彼の口にした言葉が相当酷い内容なのは明らかだった。
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