呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
(夢みたい……)
頬を赤らめ瞳を輝かせるイブリーヌは、オルジェントから拭い取ってもらったばかりなのに。
歓喜の涙が、瞳に溜まっていくのを止められない。
「泣くほど嫌なら――」
妻の涙が止まらぬ様子を目にした彼は、イブリーヌの態度を拒絶だと勘違いしたようだ。
彼女の腰元に伸ばした腕を引っ込めたオルジェントは、俊敏な動きで身体を離してベッドから降りようとする。
「ち、違います……!」
イブリーヌは慌てて彼を止めると、おろおろと視線をさまよわせた。
(せっかく陛下が私に、歩み寄ってくださったのに……! この機会を逃すわけには、いかない!)
そう一念発起した彼女は、上半身を起こした夫の胸元へ。
勢いよく、飛び込んだ。
「い、行かないで、ください……」
服の上からでもよく鍛え抜かれているとわかる胸板に指を這わせたイブリーヌは、か細い声で衣服を握り締めながら懇願する。
「わかった。それが君の望みなら。応えるのが夫である、俺の役目だ」
彼は口元を緩ませると、その願いに応えるように。
彼女の背中へ両腕を回し――離れないようにきつく抱きしめた。
頬を赤らめ瞳を輝かせるイブリーヌは、オルジェントから拭い取ってもらったばかりなのに。
歓喜の涙が、瞳に溜まっていくのを止められない。
「泣くほど嫌なら――」
妻の涙が止まらぬ様子を目にした彼は、イブリーヌの態度を拒絶だと勘違いしたようだ。
彼女の腰元に伸ばした腕を引っ込めたオルジェントは、俊敏な動きで身体を離してベッドから降りようとする。
「ち、違います……!」
イブリーヌは慌てて彼を止めると、おろおろと視線をさまよわせた。
(せっかく陛下が私に、歩み寄ってくださったのに……! この機会を逃すわけには、いかない!)
そう一念発起した彼女は、上半身を起こした夫の胸元へ。
勢いよく、飛び込んだ。
「い、行かないで、ください……」
服の上からでもよく鍛え抜かれているとわかる胸板に指を這わせたイブリーヌは、か細い声で衣服を握り締めながら懇願する。
「わかった。それが君の望みなら。応えるのが夫である、俺の役目だ」
彼は口元を緩ませると、その願いに応えるように。
彼女の背中へ両腕を回し――離れないようにきつく抱きしめた。