呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
『いいかい、イブリーヌ。君と一緒にいる時、オルジェントはよく言いかけた言葉を急に止めたり、不機嫌そうな仕草をするだろう』
「はい……」
『それは君が嫌いだからではなく、好きだからだ。絶対に、忘れてはいけないよ』
「おい」
その声を耳にしたオルジェントは、不機嫌そうに眉を顰めてハクマを止めようとした。
だが白猫は、いつものことだと怯える様子もなく。
毛づくろいを始めてしまった。
『僕は神の化身だからね。オルジェントが伝えられない言葉も、簡単にイブリーヌへ囁けるのさ』
「ハクマ……」
『あはは。僕に嫉妬するなんて、見苦しいなぁ。そんな態度ばかりを取っていると、イブリーヌに嫌われてしまうよ?』
「その魂、今すぐ刈り取ってやる……!」
『怖い怖い。じゃあね、イブリーヌ。またあとで』
オルジェントはハクマを始末するため、背中に背負った大鎌を引き抜こうとするが――不発に終わる。
イブリーヌの隣で眠る直前。
武器を手の届かぬ棚の上に置いたのを、すっかり忘れていたからだ。
「はい……」
『それは君が嫌いだからではなく、好きだからだ。絶対に、忘れてはいけないよ』
「おい」
その声を耳にしたオルジェントは、不機嫌そうに眉を顰めてハクマを止めようとした。
だが白猫は、いつものことだと怯える様子もなく。
毛づくろいを始めてしまった。
『僕は神の化身だからね。オルジェントが伝えられない言葉も、簡単にイブリーヌへ囁けるのさ』
「ハクマ……」
『あはは。僕に嫉妬するなんて、見苦しいなぁ。そんな態度ばかりを取っていると、イブリーヌに嫌われてしまうよ?』
「その魂、今すぐ刈り取ってやる……!」
『怖い怖い。じゃあね、イブリーヌ。またあとで』
オルジェントはハクマを始末するため、背中に背負った大鎌を引き抜こうとするが――不発に終わる。
イブリーヌの隣で眠る直前。
武器を手の届かぬ棚の上に置いたのを、すっかり忘れていたからだ。