呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「そうして、君のような存在が生まれたんだ」
「私、が……」
「彼らは当初、亡霊の愛し子を自分達の器としか考えていなかった。闇のオーラと相性のいい女性を媒介に。この世に再び顕現し、邪魔な王族を始末するはずだったんだが……」
「……で、でも……」
オルジェントの告白を受けたイブリーヌは、思わず反論してしまった。
確かに悪しき魂達は彼女が弱っていると、亡霊の女王になってほしいと囁くが……。
イブリーヌの意思に反して無理やり身体を乗っ取り、暴れ回るようなことはしなかったからだ。
「亡霊達は使い捨ての道具を――」
何かを言いかけたオルジェントは、突如口を動かすのをやめてしまう。
思わずイブリーヌが何事かと彼を見つめるが、夫は喉元を抑えて目を白黒させている。
どうやら、これは彼にも想定外だったようだ。
「陛下……?」
「……まぁ、なんだ……。こう言う、ことだ……」
不安そうに妻から呼ばれた彼は、言いづらそうに視線を逸らすと――最終的に、ジェスチャーで伝えると決めたようだ。
彼は気まずそうに、両手の親指と人差し指を使ってハートを描いた。
「私、が……」
「彼らは当初、亡霊の愛し子を自分達の器としか考えていなかった。闇のオーラと相性のいい女性を媒介に。この世に再び顕現し、邪魔な王族を始末するはずだったんだが……」
「……で、でも……」
オルジェントの告白を受けたイブリーヌは、思わず反論してしまった。
確かに悪しき魂達は彼女が弱っていると、亡霊の女王になってほしいと囁くが……。
イブリーヌの意思に反して無理やり身体を乗っ取り、暴れ回るようなことはしなかったからだ。
「亡霊達は使い捨ての道具を――」
何かを言いかけたオルジェントは、突如口を動かすのをやめてしまう。
思わずイブリーヌが何事かと彼を見つめるが、夫は喉元を抑えて目を白黒させている。
どうやら、これは彼にも想定外だったようだ。
「陛下……?」
「……まぁ、なんだ……。こう言う、ことだ……」
不安そうに妻から呼ばれた彼は、言いづらそうに視線を逸らすと――最終的に、ジェスチャーで伝えると決めたようだ。
彼は気まずそうに、両手の親指と人差し指を使ってハートを描いた。