呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
『イブリーヌが一番に頼るのは私達』
『やっぱり愛し子には、みんながいないと駄目!』
『死神となんか、仲良くならないで』
『ずっと一緒にいよう?』
亡霊達が元気いっぱいにはしゃぐ姿を目にしたオルジェントは、先程まで厭々手を使ってハートを作っていたのが嘘のように、顔を歪める。
「黙れ」
低い声で悪しき魂を一喝した夫は、流れるような動作で背中の大鎌に手を伸ばした。それに気づいたイブリーヌは慌てて彼に抱きつき、それを阻止する。
「だ、駄目です……っ。陛下! 落ち着いて、ください……!」
まさか妻が自身の胸元へ勢いよく飛び込んでくるなど、思いもしなかったのだろう。
オルジェントは彼女を支えきれず、後ろへひっくり返ってしまった。
「きゃ……っ」
「イブリーヌ……!」
まさかバランスが崩れ、彼を押し倒すとは思わず。
彼女が悲鳴を上げれば……。
オルジェントは焦ったように妻を抱き寄せ密着すると、左にごろりと回転する。
「大丈夫か」
あっと言う間に上下が入れ代わり、イブリーヌはぴったりとベッドに背をつけた。
『やっぱり愛し子には、みんながいないと駄目!』
『死神となんか、仲良くならないで』
『ずっと一緒にいよう?』
亡霊達が元気いっぱいにはしゃぐ姿を目にしたオルジェントは、先程まで厭々手を使ってハートを作っていたのが嘘のように、顔を歪める。
「黙れ」
低い声で悪しき魂を一喝した夫は、流れるような動作で背中の大鎌に手を伸ばした。それに気づいたイブリーヌは慌てて彼に抱きつき、それを阻止する。
「だ、駄目です……っ。陛下! 落ち着いて、ください……!」
まさか妻が自身の胸元へ勢いよく飛び込んでくるなど、思いもしなかったのだろう。
オルジェントは彼女を支えきれず、後ろへひっくり返ってしまった。
「きゃ……っ」
「イブリーヌ……!」
まさかバランスが崩れ、彼を押し倒すとは思わず。
彼女が悲鳴を上げれば……。
オルジェントは焦ったように妻を抱き寄せ密着すると、左にごろりと回転する。
「大丈夫か」
あっと言う間に上下が入れ代わり、イブリーヌはぴったりとベッドに背をつけた。