呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「は、はい……」
彼女は返事をしてから、夫が自身を見下ろしていると気づいた。
イブリーヌは思っていたよりも距離が近いことに悟り、狼狽える。
(もう少し、上を向いたら……。唇が、触れ合ってしまいそう……)
妻の頬がこの先を期待して、赤みを増している。
そんな姿を目敏く見つけたオルジェントは不敵な笑みを浮かべると、何事もなかったかのように話を続けた。
「君が女王として覚醒すれば、俺の命など……簡単に奪えるだろう」
「へ、陛下の、お命を……。わ、私が……?」
「ああ。すべてを怨み、絶望し、人々を恐怖に陥れる亡霊の女王になど、生まれ変わらせるつもりはない」
「陛下……」
「俺は、君に……」
彼は思わせぶりな発言をすると、彼女の唇を奪った。
(陛下と触れ合った場所が、熱くて……)
どうにかなってしまいそうな感覚に陥った、イブリーヌは――。
「何があっても。イブリーヌは、俺の妻だ」
唇が離されたあとも瞳を潤ませ、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
彼女は返事をしてから、夫が自身を見下ろしていると気づいた。
イブリーヌは思っていたよりも距離が近いことに悟り、狼狽える。
(もう少し、上を向いたら……。唇が、触れ合ってしまいそう……)
妻の頬がこの先を期待して、赤みを増している。
そんな姿を目敏く見つけたオルジェントは不敵な笑みを浮かべると、何事もなかったかのように話を続けた。
「君が女王として覚醒すれば、俺の命など……簡単に奪えるだろう」
「へ、陛下の、お命を……。わ、私が……?」
「ああ。すべてを怨み、絶望し、人々を恐怖に陥れる亡霊の女王になど、生まれ変わらせるつもりはない」
「陛下……」
「俺は、君に……」
彼は思わせぶりな発言をすると、彼女の唇を奪った。
(陛下と触れ合った場所が、熱くて……)
どうにかなってしまいそうな感覚に陥った、イブリーヌは――。
「何があっても。イブリーヌは、俺の妻だ」
唇が離されたあとも瞳を潤ませ、顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。