琥珀色の溺愛 ーー社長本気ですか?
「きみには可哀想だとは思うが、今考えられる最善策はこれだと思う。それともあの従兄弟という男と結婚させられてもいいのか。怖がらせて悪いが、既成事実に持ち込まれる可能性も否定できない」
「それはいやです。絶対に」
そこはきっぱりと言い切る葵羽。
「結婚と言っても役所に届けを提出して、きみはイギリスに戻ればいい。最後まで留学生活を全うしてきなさい。その間に諸々のことは片付けておくから」
「イギリスに戻ってもいいんですか」
「戻るべきだろう。せっかく頑張ってきたんだ、あんな親戚のせいで途中で投げ出すなんて勿体ない。それともきみの留学は旅行気分の留学だったのか?」
「いいえ、そんなことないです。きちんと勉強したくて頑張ってきたんです。決して遊びたくて行ってるわけじゃありません」
葵羽は力強く反論してきた。気力をなくしていた瞳に光が戻ってきていい傾向だと思う。
「だったら戻るべきだ。それにそれもご両親が行かせてくれたんだろう。供養の為にも行くべきだと思うな」
そう言うと葵羽は唇を噛みしめ黙ってしまう。
あともう一押し。
「私のことは考えなくていい。結婚する気はなかったけれど、結婚することで得られるメリットもあるんだ。日本はまだ古い考え方の人間が多く残っていてね、その代表格が”結婚して一人前”という考えだ。こちらは出会ってすぐ強烈に惹かれあって結婚したとでも印象づけることにするから」
葵羽の瞳が揺れはじめたのを見て勝ちを確信した。
「必要が無くなったら籍は抜けばいい。戸籍に傷は付いてしまうけど、それできみが得られるものも失わなくて済むものも大きいと思わないか。きみは株式を手元に残し、あの従兄弟と結婚しなくてすむ。安全な暮らしも手に入る。帰国しても同居はしなくていいし、好きな仕事についていいよ。とにかく、一晩ここで考えてみて。俺は他に住居を持っているからそちらに行く。きみと瑠璃ちゃんはここに泊まる。ここは安全だからね」
言い聞かせるようにゆっくりできるだけ優しい声を出して葵羽の頭をぽんとした。
それともう一つ。それは卑怯だと思ったけれど葵羽の耳元で囁いた。
「私と結婚したらすぐに瑠璃ちゃんも元の生活に戻してあげられる」
ーーー葵羽の目が大きく見開かれた。
滉輔を残し、一人で先にマンションを出た。
一応周囲を確認したがマンション周囲に怪しい車などはなかった。仮に見張りがいたとしても葵羽がマンションから出なければ何の手出しも出来ないだろうが。
ーーー葵羽はどうするだろう。
葵羽を自分が自分のこの手で守ってやりたいと思ってしまった。
結婚をするのがベストな策だと思うが、拒否した場合ことを考えていないわけではない。
それにしてもおかしい。
まさか昨日初めて会った年下の女にこんな気持ちにさせられるとは。
思えば、この容姿のせいで自分から女に言い寄ることは少なかった。
それが自分がいいように言いくるめて彼女と結婚をしようとしているのだ。
そんな自分がおかしくて笑ってしまう。
ただ、葵羽が頷いてくれたなら
ーーー俺の全力で守ってみせる。
「それはいやです。絶対に」
そこはきっぱりと言い切る葵羽。
「結婚と言っても役所に届けを提出して、きみはイギリスに戻ればいい。最後まで留学生活を全うしてきなさい。その間に諸々のことは片付けておくから」
「イギリスに戻ってもいいんですか」
「戻るべきだろう。せっかく頑張ってきたんだ、あんな親戚のせいで途中で投げ出すなんて勿体ない。それともきみの留学は旅行気分の留学だったのか?」
「いいえ、そんなことないです。きちんと勉強したくて頑張ってきたんです。決して遊びたくて行ってるわけじゃありません」
葵羽は力強く反論してきた。気力をなくしていた瞳に光が戻ってきていい傾向だと思う。
「だったら戻るべきだ。それにそれもご両親が行かせてくれたんだろう。供養の為にも行くべきだと思うな」
そう言うと葵羽は唇を噛みしめ黙ってしまう。
あともう一押し。
「私のことは考えなくていい。結婚する気はなかったけれど、結婚することで得られるメリットもあるんだ。日本はまだ古い考え方の人間が多く残っていてね、その代表格が”結婚して一人前”という考えだ。こちらは出会ってすぐ強烈に惹かれあって結婚したとでも印象づけることにするから」
葵羽の瞳が揺れはじめたのを見て勝ちを確信した。
「必要が無くなったら籍は抜けばいい。戸籍に傷は付いてしまうけど、それできみが得られるものも失わなくて済むものも大きいと思わないか。きみは株式を手元に残し、あの従兄弟と結婚しなくてすむ。安全な暮らしも手に入る。帰国しても同居はしなくていいし、好きな仕事についていいよ。とにかく、一晩ここで考えてみて。俺は他に住居を持っているからそちらに行く。きみと瑠璃ちゃんはここに泊まる。ここは安全だからね」
言い聞かせるようにゆっくりできるだけ優しい声を出して葵羽の頭をぽんとした。
それともう一つ。それは卑怯だと思ったけれど葵羽の耳元で囁いた。
「私と結婚したらすぐに瑠璃ちゃんも元の生活に戻してあげられる」
ーーー葵羽の目が大きく見開かれた。
滉輔を残し、一人で先にマンションを出た。
一応周囲を確認したがマンション周囲に怪しい車などはなかった。仮に見張りがいたとしても葵羽がマンションから出なければ何の手出しも出来ないだろうが。
ーーー葵羽はどうするだろう。
葵羽を自分が自分のこの手で守ってやりたいと思ってしまった。
結婚をするのがベストな策だと思うが、拒否した場合ことを考えていないわけではない。
それにしてもおかしい。
まさか昨日初めて会った年下の女にこんな気持ちにさせられるとは。
思えば、この容姿のせいで自分から女に言い寄ることは少なかった。
それが自分がいいように言いくるめて彼女と結婚をしようとしているのだ。
そんな自分がおかしくて笑ってしまう。
ただ、葵羽が頷いてくれたなら
ーーー俺の全力で守ってみせる。