琥珀色の溺愛 ーー社長本気ですか?
「確かに、結婚に何を求めるかは人それぞれだということですね」
「そうです、そうです。必ずしも他人の物さしと同じとは限りませんから」
「葵羽さんのところもですね」
「特にうちは国際結婚なので価値観はよそ様と違うかもしれませんね」
私は得意の決まり手を繰り出した。
こういえば大概の相手は引いてくれるのだ。
伊勢さんも同様でそれ以上我が家のことは聞いてこなかった。
「ありがとうございます。他の既婚者の話も聞くことにします。でも葵羽さんにもまた話をさせてもらってもいいですか」
「仕事のせいでプライベートがうまくいかないなんてことも困りますから勤務状況についても改善すべきなのか精査させてもらってまたお話ししましょう。伊勢さんは今現在の労働時間に問題があると思いますか?」
「このところはプレゼン前なので立て込んでますけど、忙しさの波があるだけで自分は問題ないと思っています。彼女のことで会社に問題あるみたいな言い方になっていたらすみません」
「いえ、確かにこの時期の伊勢さんたちデザイン部の帰宅時間が遅いのは事実ですし。次回までに社長や滉輔さんとも話し合っておきますね。他に気になっていることがなければ今日はこの辺で終了しますが」
そろそろ終了予定時間にもなるし面談の終わりを告げる。
決して面倒になったからではない。
なんかはっきりしない男だなぁなんてーーー思ってない、思ってない。思ってないよ?
「はい、ではまたお願いします。次回もまたこんな時間になってしまいますがそれでもいいですか」
「こちらは構いませんよ。伊勢さんのご都合に合わせますからメールでお知らせ下さい」
そうして二人揃って会議室を出ようと立ち上がる、
「葵羽さん、このあとこの間の店に食事をしに行きませんか」
ドアを開いて外に出ようとしたとき、夕食のお誘いをされてしまった。
この間の店ということはあのお蕎麦屋さんだ。
お蕎麦は確かにおいしかった。でもね・・・・・・
「おっと、折角だけど、今夜は久しぶりに夫婦でディナーなんだ。悪いね」
開けたドアの向こうに微笑みを浮かべた社長が立っていた。
「い、いつからそこに」
びっくりした。
ドアを開けたら目の前に彫刻のように美しい外国人男性。
しかも薄ら笑いで立っているんだもの。
「おやおや、人聞きの悪い言い方をしないで欲しいな。たまたま通りがかっただけだから。こちらは向こうの滉輔の部屋で資料をみながら電話をしていて、戻るところに葵羽たちが出てきたんだよ」
スマホとクリアファイルをひらひらとさせて見せてくる。
そういえば先にオフィスを出て行ったのは社長だ。
「あ、いえ。申し訳ありません。今日こちらに社長がいらっしゃるとは知らなかったものですから。そんな日に奥様をお誘いしてしまい大変失礼しました」
伊勢さんが突然現われた社長に驚きながら謝罪している。
彼はずっとデザインルームに缶詰状態で働いているから今日社長が来ていることを知らなかったのだろう。
「そうです、そうです。必ずしも他人の物さしと同じとは限りませんから」
「葵羽さんのところもですね」
「特にうちは国際結婚なので価値観はよそ様と違うかもしれませんね」
私は得意の決まり手を繰り出した。
こういえば大概の相手は引いてくれるのだ。
伊勢さんも同様でそれ以上我が家のことは聞いてこなかった。
「ありがとうございます。他の既婚者の話も聞くことにします。でも葵羽さんにもまた話をさせてもらってもいいですか」
「仕事のせいでプライベートがうまくいかないなんてことも困りますから勤務状況についても改善すべきなのか精査させてもらってまたお話ししましょう。伊勢さんは今現在の労働時間に問題があると思いますか?」
「このところはプレゼン前なので立て込んでますけど、忙しさの波があるだけで自分は問題ないと思っています。彼女のことで会社に問題あるみたいな言い方になっていたらすみません」
「いえ、確かにこの時期の伊勢さんたちデザイン部の帰宅時間が遅いのは事実ですし。次回までに社長や滉輔さんとも話し合っておきますね。他に気になっていることがなければ今日はこの辺で終了しますが」
そろそろ終了予定時間にもなるし面談の終わりを告げる。
決して面倒になったからではない。
なんかはっきりしない男だなぁなんてーーー思ってない、思ってない。思ってないよ?
「はい、ではまたお願いします。次回もまたこんな時間になってしまいますがそれでもいいですか」
「こちらは構いませんよ。伊勢さんのご都合に合わせますからメールでお知らせ下さい」
そうして二人揃って会議室を出ようと立ち上がる、
「葵羽さん、このあとこの間の店に食事をしに行きませんか」
ドアを開いて外に出ようとしたとき、夕食のお誘いをされてしまった。
この間の店ということはあのお蕎麦屋さんだ。
お蕎麦は確かにおいしかった。でもね・・・・・・
「おっと、折角だけど、今夜は久しぶりに夫婦でディナーなんだ。悪いね」
開けたドアの向こうに微笑みを浮かべた社長が立っていた。
「い、いつからそこに」
びっくりした。
ドアを開けたら目の前に彫刻のように美しい外国人男性。
しかも薄ら笑いで立っているんだもの。
「おやおや、人聞きの悪い言い方をしないで欲しいな。たまたま通りがかっただけだから。こちらは向こうの滉輔の部屋で資料をみながら電話をしていて、戻るところに葵羽たちが出てきたんだよ」
スマホとクリアファイルをひらひらとさせて見せてくる。
そういえば先にオフィスを出て行ったのは社長だ。
「あ、いえ。申し訳ありません。今日こちらに社長がいらっしゃるとは知らなかったものですから。そんな日に奥様をお誘いしてしまい大変失礼しました」
伊勢さんが突然現われた社長に驚きながら謝罪している。
彼はずっとデザインルームに缶詰状態で働いているから今日社長が来ていることを知らなかったのだろう。