琥珀色の溺愛 ーー社長本気ですか?
「ーーー何かありましたか?その、長谷川社長と」
小幡さんは聞きにくそうにしながら、でも今後の付き合いを考えたら聞いた方がいいと思ったのだろう。
「ええ、実は長谷川社長がありもしないわたしとのロマンスをでっち上げて吹聴していた事がわかりまして。わたしとしてはそれで愛する妻に疑われてしまったことが許せないのですよ。ですから今後はスタッフに任せわたしはもう長谷川社長と顔を会わせる場所には同席しないつもりです」
社長の言葉に驚いたのは小幡さんだけじゃない、私もだ。
ありもしないロマンス?
「そんなことが・・・・・・それは大変でしたね。わたしも自他共に認める愛妻家を名乗っていますのでお気持ちお察しします。今夜こうしてクリス社長がご夫婦でいるところを初めて見たわけですが、もうそれは社長の奥様への深い愛情が伝わってきましたよ。そこに割り込もうなんて無理に決まっているのに」
小幡さんが気の毒そうにうんうんと頷いている。
「まあそんな事情ですのでよろしくお願いします。今後こちらに伺うときは妻と一緒に来ます。小幡さんにご迷惑ががかからないように気をつけますのでよろしく」
「ええ、ええ、もちろんです。ご夫婦仲よくが一番です」
すっかり小幡さんの同情を引いた社長が「もういっぱいいかがですか」と小幡さんにとっておきらしい貴腐ワインを注がれ満足そうに飲んでいく。
「大事な妻を悲しませるなんて言語道断です」
「全くです」
賛同者を得た社長の機嫌は上昇している。
小幡さんに「社長って愛妻家なんですね」といわれて更に笑顔が深くなっているし。
食事中のかいがいしい世話はここに繋がっていたのだ。
おそろしいな、クリスチアーノ。行動全てに意味があるってか。
でも1つわかったことは、昨日の彼女、ハウスオブダリアの長谷川社長は社長の恋人ではないということ。
いくら社長のことが好きでもやりすぎだと思う。
女性の嫉妬心に慣れている私でもアレはひく。
あんなことをしてこの完璧人間のクリスチアーノ・シュミット社長を落とすことが出来ると思っているなら大きな間違いだ。
小幡さんは聞きにくそうにしながら、でも今後の付き合いを考えたら聞いた方がいいと思ったのだろう。
「ええ、実は長谷川社長がありもしないわたしとのロマンスをでっち上げて吹聴していた事がわかりまして。わたしとしてはそれで愛する妻に疑われてしまったことが許せないのですよ。ですから今後はスタッフに任せわたしはもう長谷川社長と顔を会わせる場所には同席しないつもりです」
社長の言葉に驚いたのは小幡さんだけじゃない、私もだ。
ありもしないロマンス?
「そんなことが・・・・・・それは大変でしたね。わたしも自他共に認める愛妻家を名乗っていますのでお気持ちお察しします。今夜こうしてクリス社長がご夫婦でいるところを初めて見たわけですが、もうそれは社長の奥様への深い愛情が伝わってきましたよ。そこに割り込もうなんて無理に決まっているのに」
小幡さんが気の毒そうにうんうんと頷いている。
「まあそんな事情ですのでよろしくお願いします。今後こちらに伺うときは妻と一緒に来ます。小幡さんにご迷惑ががかからないように気をつけますのでよろしく」
「ええ、ええ、もちろんです。ご夫婦仲よくが一番です」
すっかり小幡さんの同情を引いた社長が「もういっぱいいかがですか」と小幡さんにとっておきらしい貴腐ワインを注がれ満足そうに飲んでいく。
「大事な妻を悲しませるなんて言語道断です」
「全くです」
賛同者を得た社長の機嫌は上昇している。
小幡さんに「社長って愛妻家なんですね」といわれて更に笑顔が深くなっているし。
食事中のかいがいしい世話はここに繋がっていたのだ。
おそろしいな、クリスチアーノ。行動全てに意味があるってか。
でも1つわかったことは、昨日の彼女、ハウスオブダリアの長谷川社長は社長の恋人ではないということ。
いくら社長のことが好きでもやりすぎだと思う。
女性の嫉妬心に慣れている私でもアレはひく。
あんなことをしてこの完璧人間のクリスチアーノ・シュミット社長を落とすことが出来ると思っているなら大きな間違いだ。