琥珀色の溺愛 ーー社長本気ですか?
「お疲れさん。事情は聞いた。パーティーの身支度するのも大変だな。もう帰るんだろ?」
帰社すると早速滉輔さんに声を掛けられた。
「すみません。滉輔さんにまで迷惑をかけてしまって」
「いいよ、いいよ。俺も気になってたんだ、友人夫婦の不仲説」
意味ありげににやっとされてため息をつきたくなった。
「横やりが入ると面倒だよ。俺もしばらくは二人で出掛ける機会を増やしてアピールしておくほうがいいと思う」
「そうですよねーーー」
正直面倒くさい。
でもこれも自分の為であり元はといえば関係ないのに私を救ってくれたうちの社長のためだ。
「アイツ打ち合わせが入ってるって言ってたな。そこで軽く食べてくるって言ってたから葵羽ちゃんも軽く食べておいた方がいいよ。パーティーは19時からだけど俺たちが行くのは20時くらいだし。そこから挨拶回りするから向こうで何も口に出来ないと思う」
「了解しました」
よし、夜の短時間だけだ。頑張ろう。
「それより滉輔さんの方が大変ですよね。今夜だって残業確定なほど忙しいのに私の送りなんて仕事も増やされて。パーティー会場ってホテルでしょ。私ひとりで行けますよ?」
「いや、どこで何があるかわからないし、シュミット夫人がエスコートもなくひとりでホテルのロビーにぽつんといたら何を言われるかわからない。かといって他の奴にエスコートを任せるわけにもいかないからね、やっぱり俺が適任」
「すみません。私から瑠璃に連絡しておきます。瑠璃に自宅に戻れなんて言っておきながらふたりの間を邪魔しているのが自分とは・・・。本当に申し訳ない」
「そんなこと言うなって。瑠璃にはもう連絡した。きちんと葵羽の世話をして来いって言われたから大丈夫。それより大変なのは葵羽ちゃんの方。夜もまたあいつらの相手なんだからさ。もう帰ってパーティーの支度をしないとだろ。はい、行った、行った」
反対に滉輔さんに頭ポンポンしてもらって励まされてしまった。
幸い今日の私に急ぎの仕事はなく簡単な残務処理をして会社をあとにした。
さて、頑張りますか。