琥珀色の溺愛 ーー社長本気ですか?

会社に着いてクリスにメールで中林さんに会ったこと、話したことを簡単に報告をしておく。
大政に関することは些細なことでも報連相だ。

それから給湯室に行っていつものように紅茶を入れていると、あくびをしながら滉輔さんがやってきた。
昨夜も遅かったのだろう。昨日より更に疲れた顔をしている。

「俺の分も頼んでいい?」

「もちろん。コーヒーにします?」

「ううん、緑茶がいいな。手間掛けて悪いね」

「いいえ、手間じゃないですよ」

戸棚の中から急須と湯飲み、お茶の缶を取り出して支度をしていく。






ふう。
朝から何度目かのため息が出る。

中林さんのことが頭の隅に引っかかり、いつもより集中力が欠けていて普段の半分しか仕事が進まない。

それに今朝送ったメールにクリスからの返信が入らないことも不安になっていた。

メールして4時間。返信がないってことは今まではなかった。

忙しくてメールを見る時間すらないんだろうか。妻が不安になっているっていうのに・・・・・・と自分勝手なことを考えてまたため息がでる。

妻らしいことを何一つしてこなかったくせにこういうときだけ頼るなんてと思うけど、やっぱりクリスに頼ってしまうんだよね。



早く帰ってきてくれないかな。

たまらなくクリスに会いたい。

大丈夫、必ず守るって言って欲しい。
そうしたらいつまでも子どもな私は無条件で信じるし、心から安堵するから。

重症だーーーー








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