琥珀色の溺愛 ーー社長本気ですか?
でもこっちだって怒ってるんだから。
何度も待ち伏せされて嫌味を言われたこと、クリスとの仲を匂わされたこと、結構傷ついていたのだ。
それに先日のパーティーでこの人に掴まれた腕は内出血していたし。
言い返したっていいと思う。

「ねえ、まさか小幡さんのレストランの開店パーティーにはあなたは来ないわよね。あのお店の企画からかかわっていたのは私なのよ。彼の隣に立つのは当然私のはずでしょ」

長谷川社長がコワイ顔でぐいと詰め寄ってくる。
その迫力に私は一歩後退った。

「どうなのよっ」

あまりの迫力。
これはちょっとまずいかも。

自分も腹が立って言い返してしまったけど、この手の人に正面切って反論してはいけなかったのだ。

さっきから殺気がハンパない。
でももう後の祭りかもーーー

せめて、クリスが小幡さんに『妻と参加する』って言っていたことだけは黙っていよう。
そんなこと言ったら刺されるんじゃないかと思うくらい今のこの人からの怒気を感じる。

ちょっとまずいな。

目の前の長谷川社長のつり上がった眉毛と三角になった目に身の危険を感じる。刺されるは大袈裟だけど、ひっぱたかれる程度は有りえそうでコワイ。
あの腕力を思い出すとぞっとする。

これ以上刺激しない方がいい。絶対に。

どうやって逃げようかな。
こうしている間に私のメンタルとお昼休みの時間がどんどん減っていく。
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