純恋〜ひとつの光〜
「あの…一体どこへ…」

なんだか一向に山も海も出てこない。

そして住宅街を抜けた先に、タイムスリップでもしたかのようなお城のようなお屋敷が出てきた。

え…

門の前には侠極会 月城組の看板が。

「黙ってついてきなさい」

敷地の中に入ると、見慣れた黒光りする外車がずらりと整列し止められていた。

拷問とかされちゃうのかな…

すると一つの部屋へと入れられて私は目を大きく開ける。

そこには、でーんと五つ紋が入った見事な色留袖が衣紋掛けに掛けられていた。

薄めの茶色の生地に白やベージュ、金の刺繍で施された見事な柄が入った素敵な着物。

「これを青葉さんに」

え…?

驚くのも束の間、女性のお手伝いさんのような人たちがゾロゾロと入ってきて、お父様はいなくなってしまった。

そして会話もないまま、あれよあれよと着付けされる。

髪も整えられ、姿見の前には別人になった私がいた。

女性達が出ていくとお父様がまた入ってきた。

「いいね。似合ってる」

その顔があまりにも耀が微笑んた時と似ていて目をそらしてしまう。
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