純恋〜ひとつの光〜
「今から自分は命を落とすかもしれないのに、逃げなくていいのか?」

逃げる…

その選択肢は不思議となかったな。

「出来れば1秒でも長く耀さんの側にいたかったですね」

安易に一人で出かけてしまった後悔はある。

やっぱりいつどこで誰が見ているか分からないのだと今更思い知った。

しかも敵ではなく、耀の父親に命を取られるだなんて。

お父様はまた私をジッと見る。

「あの、耀さんには事故だと伝えてください」

するとまた驚いた顔をするお父様。

「だってそうですよね。耀さんのお父様の手で私を殺めただなんて知ったら、耀さんはきっと傷付きます」

そう思ったらなんだか悲しくなってきた。

そして窓の外を見ながら耀との思い出を脳内で再生させる。
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