純恋〜ひとつの光〜
「俺の顔に何か付いてますか?」

「え? あ、いえ。お飲み物はいかが致しますか?」

まずい。
ついまじまじと見てしまった。

そして思ったよりもずっと重くて深いような低い声で耳がくすぐったい。

てっきり敬語なんて使わないのかと思った。

すると彼がフッと笑ったのが横目でわかった。

「ウィスキーを下さい」

やっぱり低い声。
なんなんだろう。
この妙な落ち着きは。

「かしこまりました」

「名前伺っても?」

「平田です」

何故か苗字を名乗ってしまった。

「俺は月城 耀(つきしろ よう)」

「なんてお呼びしたらいいですか?」

「耀で」

そう言って彼は私が出したウィスキーをクイっと飲んだ。

ゴクッと飲み込む時に大きな喉仏が上下に動き、何故か私までゴクッと唾を飲んでしまった。

私も誤魔化すようにチェイサーの水を飲む。

「平田さんは飲まないんですか?」

「あ…、よろしいんですか?」

「どうぞ? お好きに」
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