純恋〜ひとつの光〜
「新関組の前に放り投げて来いだって」

「承知。あとはこちらで引き受けます」

そして五十嵐の運転でようやくマンションへ帰った。

着替えもせずに帰ったせいで汚れたままのスーツなのにも関わらず、青葉の顔を見た俺はつい帰って来たという実感から抱きしめてしまいそうになる。

いけね。

汚いんだった。

そして秒でシャワーを浴びて一目散に青葉の元へと戻り抱きしめる。

はぁ、落ち着く…
やっと帰って来たって感じだ。

灰色に曇った世界が、青葉といる時だけは浄化されて澄んだ世界に変わっていく。

俺が俺でいられるたったひとつの場所。

このひとつの光だけは守りたい。

そしてキスをしようとすれば花火が打ち上がり青葉はそっちに気を取られて窓際に行ってしまった。

ははは。

「花火に負けたー」

俺も側まで行って後ろに立つ。

もうずっとくっついていたい。

すると青葉は外の景色を見ながら世界は広かったんだと言い出した。

そうだよ。

あんなに休む暇もなく働き詰めじゃ、見えるものも見えなかっただろう。
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